社会

「令(よ)」く和やかな新時代 あふれる希望と笑顔 - 自然・地方文化にご関心 平成2年新天皇陛下、大峰連峰へ/天川村関係者、当時を回想

登山スタイルで大峰連峰を歩かれる皇太子さま(当時、左は弥山小屋)=平成2年6月 拡大
新天皇陛下が大峰連峰を登山した際、同校した村職員らと撮影した写真を手にする植村さん=天川村北小原 拡大
新天皇陛下の村訪問を伝える広報紙に目を向ける豕瀬さん=天川村沢谷 拡大

 新天皇陛下は皇太子時代から登山好きで知られ、これまでに登った山は170余り。平成2年には大峰連峰登山のため、天川村をご訪問された。当時、同行した村関係者は「自然や地方の歴史、文化に強い関心を持ってくださる方」と振り返る。

 ▽「山や自然への思いを感じた」

 新天皇陛下が大峰連峰を登山されたのは平成2年6月。12日に吉野山の金峯神社などを視察された後、13日~15日の3日間、山上ケ岳、弥山、八剣山への登山を楽しまれた。

 道中の案内役の一人だったのが当時、村企画課主事だった植村正和さん(63)。猟などを通じて山に詳しい人物として、助役ら3人とともに大役に起用された。

 登山ルートの事前調査は訪問の約2年前から行い、入念に危険箇所の有無などを確認。ただ、県を通じて宮内庁から「あまり手を入れず、自然な状態で」と連絡があり、最小限の整備でとどめた。

 厳しいアップダウンで知られる修験道の道「大峯奥駆道」にも陛下は疲れた様子を見せることはなかった。「本当にご健脚。終始爽やかだった」。

 高山植物を見かけると、時折足を止め、じっくりと眺めた。カメラを取り出し、撮影されることもたびたびあった。

 14日は山上ケ岳から行者還などを経て、弥山を目指す約30キロの特に険しいコースだった。「この機会に食べていただければ」と考え、持参した村の郷土料理「朴(ほお)の葉寿司」を助役を通じてお渡しした。後に「おいしいと喜ばれていた」と聞かされた。

 植村さんは役場退職後、村内にジビエ処理施設「B&D工房」を設立。自然と向き合い続けている。「気さくな方。村の歴史や文化に関心を持ってくださった。山や自然への思いを感じた」と回想する。

 ▽「1300年続く村を未来へ」

 村森林政策課長の豕瀬充さん(57)は、村広報紙「広報てんかわ」に掲載する写真の撮影係だった。14日夜、弥山山頂の小屋で宿泊され、精進料理を召し上がられた。「料理は村の紅葉や山野草の天ぷらなど。職員や警備の警察官と和やか談笑された。お酒にも強かった」。陛下の穏やかな表情が印象に残っている。

 新天皇陛下は平成28年9月、自身が会員を務める日本山岳会の機関誌「山岳」に寄稿。「歴史と信仰の山を訪ねて」と題した文章の中で「私にとって信仰の山への登山は、過去を偲(しの)びながら歩む生きた歴史探索なのである」とし、大峰連峰登山の思い出をつづられている。

 天川村には豊かな自然と歴史文化が残る。だが、急速に進行する人口減、高齢化の波が押し寄せている。

 豕瀬さんは「1300年脈々と続くこの地の歴史に目を向け、現在のむらづくりのヒントを得る姿勢が重要になる」と強調する。

 現在、国外への輸出も視野に入れ、村伝統薬「陀羅尼助」の原料、キハダの育成を推進する。建材として不振が続く林業活性化をにらんだ動きの一つでもある。村の自然や歴史を生かした観光ガイドなどの仕事と組み合わせ、若者が定住できる環境を整備したいと考えている。

 四季の移ろいを強く感じられる村ならではの暮らし方も提案する意向で、「令和の時代は、子供が夢を描き、夢を実現できる天川村にしたい」。

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