社会

平成の技術結集「蔵骨器」 - 五輪塔に埋納j法要 高僧・證玄らの遺骨を納め/唐招提寺西方院 複製品が完成

解体修理中の證玄の五輪塔前で営まれた埋納法要=6日、奈良市五条2の唐招提寺西方院 拡大
證玄の蔵骨器の複製品(右)とその雛型=6日、奈良市五条2の唐招提寺西方院 拡大

 昨年、唐招提寺西方院(奈良市二条2丁目)の五輪塔(県指定文化財)から出土した鎌倉時代の高僧・證玄(しょうげん)の蔵骨器の複製品が完成。6日、證玄と弟子の遺骨を再び納めて五輪塔に埋納する法要が営まれた。

 蔵骨器は昨年7月、五輪塔の解体修理に伴って、元興寺文化財研究所(奈良市)などの調査で確認。総高約34センチ、直径約17センチの銅製で、本体の厚さはわずか1・2~1・8ミリだった。蓋(ふた)は上下2段あり、上部(直径約9センチ)は後から取り外せる特殊な構造を持ち、鎌倉期の技術の高さをうかがわせる。

 内部には證玄のほか、弟子とみられる2人分以上の遺骨が納められていた。

 西方院では貴重な研究資料の蔵骨器を地上で保管し、代わりに複製品を製作して埋納することを決定。

 東京都のデジタル文化財創出機構の支援を受け、昨年12月から富山県高岡市の伝統工芸高岡銅器振興協同組合(梶原壽治理事長)が製作に取り組んできた。

 精密な三次元計測データを基にした樹脂製のひな型から、実物と同じ大きさ、形状の精巧な複製品を製作。本体中央に留められていた銅板の銘文は、伝統的な彫金技法で再現した。

 ただ、実物の底部は本体と別の材をはめていたが、内部に水が浸透した原因となった可能性があるため、複製品は本体と一体で製作した。

 複製品製作を指導した村上隆・京都美術工芸大学教授は「鎌倉の技術の粋を駆使した蔵骨器に負けない、平成の技術の粋を集めた作品」と評価する。

 埋納法要にはデジタル文化財創出機構や元興寺文化財研究所、奈良国立博物館の関係者ら約10人が参列。證玄らの遺骨の一部を納めた新しい蔵骨器を前に、西山明彦・唐招提寺長老ら僧侶8人が読経した。

 證玄は伝統行事の「うちわまき」で知られる唐招提寺中興の祖・覚盛上人に師事。覚盛死後も伽藍(がらん)復興に尽力し、同寺中興2世とされる。

 西山長老は「多くの方の尽力で立派な蔵骨器でできた。今後は覚盛上人だけなく、證玄和尚の顕彰にも務めたい」としていた。

▼ 記事の詳細は本紙をご覧ください

購読のお申し込み

ウェブ限定記事

よく読まれている記事

  • 興福寺中金堂再建記念 現代「阿修羅」展 図録
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • Tour guide tabloid COOL NARA
  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介

奈良新聞読者プレゼント

第5回全日本フルコンタクト空手道選手権大会の観戦券

昨年5月に開催された第一回国際フルコンタクト空手道選手権大会の決勝戦
提供元:全日本フルコンタクト空手道連盟
当選者数:10組20人
  • 12.8(土) 12.9(日)に開催 奈良マラソン2018
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • バナー広告のご案内
  • 奈良新聞シニアクラブ
  • 奈良新聞デジタル
  • ならリビング.com
  • 特選ホームページガイド
  • 奈良新聞社 採用情報