考古学

十二支「辰」像か - エックス線撮影で影 再現実験で調査へ/文化庁キトラ古墳壁画の漆喰片

エックス線撮影で確認された「辰」の可能性がある黒い影(画像中央付近)=文化庁提供 拡大

 重要文化財・キトラ古墳壁画(7世紀末~8世紀初め)の漆喰(しっくい)片をエックス線撮影した調査で、十二支像「辰(たつ)」の可能性がある黒い影が確認された。文化庁が22日、東京都で開いた有識者会議「古墳壁画の保存活用に関する検討会」で報告した。ただ同庁は「本来明るく映るもので、図像があるとは断定できない」とし、今後も調べていく方針だ。

 石室からはぎ取った泥に覆われている可能性がある漆喰部分について、同庁は平成22年にも同様の調査をしているが、「図像を確認できなかった」と発表していた。ただ「辰」の存在が想定される箇所に黒い影は映っていた。

 同庁は昨年11月、最新の装置を用いて改めて撮影・解析したところ、よりはっきりとした影を確認した。「寅(とら)」の図像とほぼ同じ大きさ(15センチ程度)で、十二支像によく似た形をしているという。

 ただ調査を担当した高妻洋成・奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長は「図像の顔料が残っていれば本来、明るく映るはず。想定とは逆の見え方で戸惑っている」と話す。

 一方、同じようにエックス線撮影で黒く映る現象は、既に図像として確認されている「戌(いぬ)」でも見られているという。

 こうした現象の原因の可能性として、高妻センター長は「顔料のある所の漆喰が溶けて再結晶することで黒く映るのかもしれない」と想像する。

 来年度に再現実験をして原因を調べていく方針。今回の調査でも確認できなかった「巳(み)」「申(さる」についても、「先入観を捨てた方が良い。図像があることも想定して調査を続ける」としている。

 検討会座長の和田晴吾・兵庫県立考古博物館長は「今後いろんな方法で確認してもらい、十二支の数がさらに増えることを大いに期待している」と話した。

 キトラ壁画の十二支像は、これまでに「子(ね)」「丑(うし)」「寅」「午(うま)」「戌」「亥(い)」の6体を確認。午は泥に転写した状況で見つかっている。

 同壁画は今月18日、国の文化審議会により国宝に指定するよう答申された。

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