考古学

「国の宝」認定に喜び - 地元・明日香 文化財活用策に意欲/キトラ古墳壁画

現在は定期的に公開されているキトラ古墳壁画。写真は今年1月に公開された玄武=明日香村阿部山のキトラ古墳壁画体験館四神の館 拡大

 18日、文化審議会から国宝指定の答申を受けたキトラ古墳(明日香村阿部山)の壁画。高松塚古墳(同村平田)に続く国内2例目となる極彩色の古墳壁画が、ようやく名実ともに「国の宝物」となる。壁画を見守り続けた地元の明日香村でも喜びの声が上がった。

 キトラ古墳は昭和58年、ファイバースコープによる調査で石室北壁に四神の「玄武」を確認。その後、四神の「白虎」や「青龍」などが見つかり、平成13年には高松塚古墳では失われた「朱雀」も発見された。

 しかし、カビなどによる壁画の劣化が判明し、22年から6年余りかけて石室からの剥(は)ぎ取りを実施。現在は村内の保存施設で管理されている。ようやく審査できる状態となったため、昨年、重要文化財に登録された。

 明日香村の森川裕一村長は「『朱雀』や東アジア最古と言われる『天文図』の唯一無比性と共に、壁画のモチーフや迷いなく美しい線で描かれた、その美術的な価値も認められた。感慨深いしうれしい」と話す。

 村関係の国宝は、奈良国立博物館(奈良市)に寄託されている岡寺の木心乾漆義淵僧正坐像と、現在仮設修理施設(同村)で修理中の高松塚古墳壁画に次いで3件目。村内の常設施設で保存管理されているものでは初になる。

 村では村全体をフィールドミュージアムに見立てた「明日香まるごと博物館」構想を進めており、森川村長は「キトラ壁画が国宝になれば、“展示物”の価値を主張しやすくなる」と活用策に意欲。『飛鳥・藤原』の世界遺産登録推進に向けても「本格的な取り組みに連動していく」との見解を示す。

 平成32年度交付予定の「飛鳥」ナンバーは朱雀をイメージした図柄が採用されており、「飛鳥地域のモチーフとしてより発信できる」と期待を寄せる。

 またキトラ古墳発見に関わった飛鳥古京顕彰会事務局長の花井節二さんも「四神図や天文図などの壁画が揃った古墳は他になく、国宝指定は当たり前」とし、「村内に保存施設も完成し、国宝指定により永遠に保存してもらえるだろう」と喜んだ。

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