考古学

直径109メートル、国内最大円墳 - 平たん面も大王墓級/奈良・富雄丸山古墳

富雄丸山古墳の1段目の平たん部。中央には円筒埴輪列が見つかった=23日、奈良市丸山1 拡大

 奈良市教育委員会埋蔵文化財調査センターは23日、同市丸山1丁目の大型円墳「富雄丸山古墳」(4世紀後半)の発掘調査で、墳丘の直径が約109メートルだったことが確認されたと発表した。一昨年の航空レーザー測量の結果を裏づけ、国内最大の円墳だったことが確定した。また三段築成の墳丘の平たん面が通常の円墳よりも広く、大王墓に匹敵するような墳丘構造だったことも判明。墳丘に取り付く「造り出し」にも段築があり、珍しい構造を持つことが分かった。

 昨年12月から、史跡指定に向けた墳丘の規模確認などを目的に約250平方メートルを調査した。

 北東部で墳丘から崩れ落ちた葺(ふき)石や墳丘の裾部分などを確認。墳丘の裾から中央部までの距離に基に推測すると、墳丘の直径は約109メートルになることが分かった。

 一昨年の航空レーザーを使った測量では、墳丘の直径を約110メートル前後と計測。これまでの丸墓山古墳(埼玉県行田市)の直径105メートルを超えて国内最大の円墳だったことが、考古学的にも裏付けられた。

 一方、墳丘の平たん面の幅は下から1段目が7・2メートル、2段目が8・8メートル。大型の円墳でも通常は3メートル程度で、全長200メートルを超える大王墓級の前方後円墳と同様の広さを持っていた。各段の中央部では直径28~35センチ程度の円筒埴輪(はにわ)が約20センチ間隔で並んでいた。埴輪列は平たん部の外側や内側が多く、中央部にあるのは珍しいという。

 また墳丘の北東部に取り付く造り出しは、長さ約15メートル、幅約40メートルと推定。一部で平たん面に2センチ程度の小石を敷いた礫(れき)敷、斜面では5~20センチ程度の葺石がそれぞれ見つかった。

 造り出しの北西部斜面は2段に造られ、幅約3・8メートルの平たん面中央で直径28~30センチの円筒埴輪列を確認。造り出しは祭祀(さいし)を行った場所とされ、段築がある例は前方後円墳の宝塚1号墳(三重県松阪市)であるだけで円墳では初めてという。

 このほか、昭和47年に県教育委員会が発掘した墳頂部の埋葬施設の再調査も行い、鍬(くわ)形石や管玉、鉄器類などが出土。鍬形石の破片は明治期出土とされる京都国立博物館所蔵品(国重要文化財)の同一品とみられる。

 調査を担当した市教委埋蔵文化財調査センターの村瀬陸主事は「墳丘の平たん面を広くすると斜面がきつくなり、そり立つように見えたはず。古墳が立派に見えるように、視覚的効果を狙ったのでないか」と特異な墳丘の理由を想像している。

 現地説明会は26日午前10時から午後3時。小雨決行。近くに臨時駐車場も設けるが数に限りがあり、市教委は公共交通機関の利用を呼び掛けている。

 問い合わせは、市教委埋蔵文化財調査センター、電話0742(33)1821。

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