考古学

播磨国自慢の白い瓦 - 外観目立たせ技術誇示か 調邸跡から出土/奈良市埋文センターで展示

播磨国調邸跡で見つかった播磨産の白い瓦=8日、奈良市大安寺西2の奈良市教委埋蔵文化調査センター 拡大

 奈良時代の平城京に置かれた播磨国(兵庫県西南部)の出先機関「調邸(ちょうてい)」の建物に白い屋根瓦がふかれていたことが、奈良市教育委員会埋蔵文化財調査センターの調査で分かった。播磨国調邸跡とみられる同市大森西町などの平城京跡から播磨産の白い瓦類が多数出土。屋根瓦は黒や灰色が主流で、視覚的な効果を狙ったと考えられるという。白い瓦類は、同市大安寺西2丁目の同センターで開催中の巡回ミニ展示「奈良を掘る6播磨の国から来た瓦」(奈良新聞社協力)で展示されている。2月8日まで。

 調邸とは、税として運ばれた調物(繊維製品など)を宮内へ納品する前に検品や保管を行う諸国の「平城京事務所」のような施設。正倉院に伝わった文書には、相模国(神奈川県)の調邸が京内の東市周辺にあったと記されている。

 平成13~28年度に同センターが行った平城京左京五条四坊八・九坪の調査で、播磨から運ばれた奈良時代後半の鬼瓦や軒瓦、平瓦などが出土。播磨国内でも国府や駅家(うまや)などの公的機関で使われた瓦で、同遺跡には国司が管理した調邸があったとみられる。考古資料から調邸の存在が初めて裏付けた。

 同センターが遺跡から出土した播磨産の瓦類を精査したところ、大半が白っぽい瓦と判明。四条大路に面した倉庫や2町(坪)分(約3万2000平方メートル)の敷地を区画する築地塀などに使用され、外部からの視覚的な効果を狙って白い瓦を選んだとみられる。

 平城京では同様の建物の例がなく、白い屋根は京内でもかなり目立つ存在だったという。当時の大国だった播磨の窯産技術を誇示する目的などが考えられる。

 同センターの原田憲二郎・活用係長は「播磨で白といえば、白鷺城と呼ばれる姫路城が連想されるが、古代から白が好まれたのかもしれない」としている。

 巡回ミニ展示は午前9時から午後5時まで。土日曜休館。無料。2月14~28日には奈良市二条大路南1丁目の市役所ロビー展示ケースで、3月5日~4月25日には同市山陵町の奈良大学博物館でそれぞれ開かれる。

 問い合わせは、奈良市教委埋蔵文化財調査センター、電話0742(33)1821。

▼ 記事の詳細は本紙をご覧ください

購読のお申し込み

ウェブ限定記事

よく読まれている記事

  • 興福寺中金堂再建記念 現代「阿修羅」展 図録
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • Tour guide tabloid COOL NARA
  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介

奈良新聞読者プレゼント

谷川俊太郎の絵本「へいわとせんそう」

プレゼント写真
提供元:ブロンズ新社
当選者数:3人
  • 12.8(土) 12.9(日)に開催 奈良マラソン2018
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • バナー広告のご案内
  • 奈良新聞シニアクラブ
  • 奈良新聞デジタル
  • ならリビング.com
  • 特選ホームページガイド
  • 奈良新聞社 採用情報