社会

元興寺の坐像内部に 「護命僧正像」の銘文 - 現存する唯一の肖像 「大元興寺展」できょうから展示

銘文で裏付けられた伝護命僧正像=12日、奈良市中院町の真言律宗元興寺 拡大

 奈良市芝新屋町の華厳宗元興寺(塔跡)で、奈良時代末から平安時代初の高僧・護命(750~834年)の肖像として伝わってきた江戸時代(19世紀)の坐像の内部から、「護命僧正像」と書かれた銘文が、元興寺文化財研究所の調査で見つかった。寺伝を裏付ける成果で、現存する唯一の護命の肖像という。像は、きょう13日から、同市中院町の真言律宗元興寺法輪館で開かれる創建1300年記念「大元興寺展」で展示される。

 護命僧正坐像は70・8センチの木像で、底板内側に墨書で「護命僧正像」と書かれていた。表面に赤色の彩色が残ることなどから、当初は釈迦の弟子の一人「賓頭廬(びんずる)尊者」として作られ、途中で護命として祭られるようになった可能性があるという。

 また像内背面と首ほぞには「惣本山御用仏工 井上庄治郎」などの銘文を確認。像を作った仏工の名とみられるが、ほかに記録がなく詳細は分からない。

 護命は元興寺で法相の教学を学び、天台宗開祖・最澄(767~822年)と比叡山での「大乗戒」を授ける戒壇の設立をめぐり対立。元興寺小塔院(同市西新屋町)で亡くなった。護命が疫病退散を祈ったことを起源とする「庚申(こうしん)信仰」など、奈良町には護命に関する伝説が多く残る。

 小塔院では護命900年忌の享保13(1734)年ごろに供養碑と位牌も造立。

 元興寺文化財研究所の服部光真研究員は「江戸時代に元興寺の歴史を顧みて、ゆかりの高僧を顕彰する意図で賓頭廬尊者の像を護命の肖像として祭るようになったのでは」としている。

 このほか、大元興寺展では、同寺ゆかりの出土遺物や仏像、古文書類など約80点を展示。古代は国家寺院として、中世以降は都市寺院として栄えた同寺の歴史を総合的に振り返る。11月11日まで。午前9時から午後5時開館。入館料は大人600円、中高生300円、小学生100円(拝観料を含む)。

 15日午後0時半から、記念講演会「未来に受け継ぐ、元興寺の信仰・伝承・文化財」を開催。29日午後1時からは、シンポジウム「平城京と元興寺~その創建とうつり変わり」を開く。

 いずれも会場は奈良市東寺林町のならまちセンター。参加費1000円。問い合わせ、申込みは奈良市観光センター、電話0742(22)3900。

 

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