社会
日本の絵画に大きな影響 - きょうから「中国・朝鮮絵画」展/大和文華館
所蔵する中国や朝鮮の絵画コレクションを集めた大和文華館の展覧会「大和文華館の中国・朝鮮絵画」が、きょう24日から、奈良市学園前南1丁目の同館で開かれる。9月30日まで。
中国・北宋から清(10~20世紀)までの六つの王朝と、朝鮮半島の李氏朝鮮(14~20世紀)で描かれた山水画や植物画、人物画約50件を公開。日本にも大きな影響を与えた両国の絵画作品の数々を紹介する。
このうち「雪中帰牧図」(国宝)は、南宋前期の宮廷画家の李迪(りてき)の作品。雪景色を描いた左右一対の作品で、右側の「騎牛幅」は凍えるように背を丸めて牛に乗る牧童を、左側の「牽牛幅」は牛を引いて歩む牧童をそれぞれ描く。南宋絵画の傑作の一つで、かつては室町将軍家が所蔵してた。
また北宋太祖五世の子孫の趙令穣の作と伝わる「秋塘図」(国重要文化財)は、今回の展示で最古の絵画。寒鴉(かんあ=冬のカラス)や鴨(かも)の群れなどを着色と水墨の濃淡で描き、夕景の詩情を表している。
このほかイタリア人宣教師だった中国・清の宮廷画家、清郎世寧の作と伝わる「閻相師像」は、同国の武官の肖像。西洋画の技法を用いて立体的に表現されている。
同館学芸員の都甲さやかさんは「いろんな表現で描かれた中国と朝鮮の絵画を楽しみ、絵画を通じた交流の歴史を感じてもらえれば」と話す。
午前10時から午後5時開館。月曜休館(祝日と振替休日の場合は翌日休館)。一般620円、高校・大学生410円。
問い合わせは同館、電話0742(45)0544。
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