社会

吉野杉座椅子で3位 - 国内最大の家具コンペ

受賞作品と同じ形の座いすを手にする平井さん=川上村迫 拡大

 静岡県出身で地域おこし協力隊として川上村に移住、創作活動に取り組む木工作家の平井健太さん(33)が、家具産地・北海道旭川市の「国際家具デザインコンペティション旭川」で、ブロンズリーフ賞(3位)を受賞した。平井さんが出品したのは吉野杉の座いす。コンペ初出品で初受賞の快挙。21日に表彰式がある。

 3年に1度行われる国内最大の国際家具コンペで、第10回の今回は世界30カ国・地域から683点が応募。平井さんの作品は3次曲線加工の新しい技術を用いた優しい造形、柔らかさ、すわり心地などが評価された。

 背もたれとひじ掛けがつながり、長さ2・3メートル、幅14センチ、厚さ1・5ミリの板を15枚重ねて積層させた1本の部材でできている。積層させる接着剤が固まるまでの短時間に、手技でねじりと曲げを行い、思い描いた形を造り上げる。

 平井さんは平成24年から3年間、アイルランドに渡り、現地デザイナー、ジョセフ・ウォルシュの工房でこの技術を習得。同地では広葉樹を扱ったが、日本の林業再生につながればと帰国してからは針葉樹で挑戦。昨年4月、妻と一緒に川上村大滝に移住してきて、吉野杉と出合った。

 無節で年輪が密な吉野杉の特性と接着剤の強度は、柔らかく家具に適さないとされるスギの弱点を補い、独特な造形美によってスギの軽さや温もりが生かされた。

 受賞作に使ったのは樹齢150〜200年の吉野杉。平井さんは「長い年月をかけて丁寧に植え、育てられた財産をムダにせずものづくりをし続けたい」と話す。

 先月末、村内の木工所に間借りして家具工房「スタジオ・ジグ」を立ち上げた。今後も吉野杉でベンチやテーブル、キッチン用品などを制作、ネット販売するという。

 問い合わせは平井さん、電話070(2837)5298。

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