考古学

広範囲に弥生時代水田跡 - 奈良盆地北部では初/旧奈良署跡地で検出

旧奈良署跡から見つかった弥生時代前半の水田跡=23日、奈良市三条大路1(県立橿原考古学研究所提供) 拡大

 奈良市三条大路1丁目の旧奈良署跡地で、弥生時代前期の水田跡が見つかり、23日、調査した県立橿原考古学研究所が発表した。奈良盆地北部で同時代の水田跡が広範囲に見つかるのは初めて。奈良盆地の稲作の開始を考える上で貴重な資料といえる。

 県が進めるホテルや交流拠点建設のため昨年5月下旬から約8000平方メートルを調査。昨年末、邸宅跡などが見つかった奈良時代後半の遺構の下層から、水田跡約5500平方メートルにわたり検出された。

 見つかった水田跡は約500区画あり、1区画の平均面積が約7平方メートルと現在の水田よりも小ぶり。水田を区切るあぜは高さ約3センチで、東西に幅1メートル弱の大きなあぜ1本が通り、幅約30センチの小さなあぜが「あみだくじ」状に配されていた。

 北側を東西に流れる川跡からは堰(せき)とみられる木材などが見つかり、水をせき止めて水田に引いていたと考えられる。

 水田が営まれた時期は出土した土器や石庖丁(ほうちょう)などの遺物から弥生時代前期と推定。ただ、水田耕作土が1~3センチ程度と薄く、あぜを修復した形跡もないことから、短期間で使われなくなった可能性が高いという。

 県内では奈良盆地西南部の中西遺跡や秋津遺跡(いずれも御所市)などで、弥生時代前期の大規模な水田跡が見つかっている。

 調査した県立橿原考古学研究所の岡田憲一・指導研究員は「南部だけでなく北部でも大規模な水田跡がそろい、奈良盆地全体における稲作農耕の開始を日本列島の歴史の中で意義づける上での資料」としている。

 現地説明会は25日午前10時から午後3時。小雨決行。

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