考古学

二条大路を横切る溝 - 北から南へ排水計画?

朱雀門西側で見つかった二条大路を横断する南北溝と、同大路南側溝との合流点=9日、奈良市二条大路南4 拡大

 奈良文化財研究所は9日、奈良市二条大路南4丁目の平城宮跡朱雀門前で、平城京の東西主要道・二条大路を横断する奈良時代の南北溝が見つかったと発表した。排水用の溝とみられ、同大路南側溝に流れ込んでいた。溝は北側の同宮跡に続く可能性もあり、宮や朱雀門前周辺の排水計画を考える上での資料となりそうだ。

 積水化学工業工場の移転に伴う史跡朱雀大路跡整備のため、3月上旬から東西2カ所の調査区で計約684平方メートルを調査した。

 南北溝は朱雀大路から約90メートル離れた西側調査区で約8メートルにわたり確認。幅約3~3・8メートル、深さ約80センチで、二条大路の南側溝に接続していた。二つの溝の合流点が深くなっていることから、水が道幅約37メートルの同大路を横断して北から南へと流れ、南側溝に注いでいたと推定される。

 同大路に溝を渡る橋などの施設があったとみられるが、遺構は見つからなかった。溝は平安時代初期、同大路と一緒に埋められたとみられる。

 また、東側調査区では朱雀大路西側溝(最大幅5・5メートル、深さ1・3メートル以上)が見つかり、西側の南北溝と同様、二条大路を横断し同大路南側溝とT字形に接続していた。

 平城宮周辺の地形は、なだらかに北から南へ傾斜。地下からの湧き水も多く、排水には工夫が必要だった。

 奈良文化財研究所の林正憲主任研究員は「二条大路北側溝の水を朱雀大路西側に流すことは考えていたが、西側の南北溝は想定外。平城宮から流れてきた可能性もあり、宮中の排水計画に関連しているのかもしれない」としている。

 このほか、西側調査区では南北を通る西一坊坊間東小路の西側溝も確認。西岸で大量の瓦が出土し、西側に築地塀があったことも推測される。

 現地見学会は11日午前11時から午後3時。小雨決行。駐車場はない。

 問い合わせは、奈良文化財研究所研究支援課、電話0742(30)6736。

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