考古学

真鍮合金、平安期に - 定説覆す発見/奈良大が分析

真鍮が使われていることが分かった紺紙金字一切経の「智」の拡大文字=東京文化財研究所提供 拡大

 平安時代後期に書かれた装飾経「紺紙金字一切経」(荒川経)の金泥文字に銅と亜鉛を合成した真鍮(しんちゅう=黄銅)が含まれていたことが、21日、蛍光X線分析装置を使った奈良大学(奈良市山陵町)の調査で分かった。真鍮の合金は、日本では江戸時代(18世紀)に普及したとされるが、12世紀に金の代用品として使われていたことが科学的に証明された。金工史上の画期的な成果。

 同大学文学部設置の蛍光X線分析装置を使い、2~5行の経典断片3点に書かれた計12文字を調査。金銀などとともに亜鉛と銅の成分も検出し、真鍮の粉を溶かして使っていたことが分かった。確認のために行った東京文化財研究所などの調査でも同様の結果だった。

 真鍮は紀元1世紀ごろ南コーカサス周辺で発見され、古代中国で「鍮石(ちゅうじゃく)」や「仮鍮(かちゅう)」と呼ばれた。日本でも正倉院宝物などに真鍮品があるが、自然界に存在する真鍮を使用したと考えられてきた。

 調査を担当した奈良大学の西山要一教授(保存科学)は「今回の真鍮は不純物が少なく、合金の可能性が高い。金が使われたと思われる江戸時代以前の製品についても、今後、調査して確かめる必要がある」としている。

 紺紙金字一切経などは5月6〜31日、奈良大学博物館で展示される。

 

 

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