社会
鎌倉の仏、奈良に集結 - 多彩な表情の53件/来月5日から奈良博で特別展
鎌倉に残る多彩な仏教彫刻を紹介した特別展「鎌倉の仏像―迫真とエキゾチシズム」が4月5日から、奈良市登大路町の奈良国立博物館で開かれる。6月1日まで。
鎌倉時代初め、運慶ら慶派仏師が奈良で生んだ新しい仏像の様式は、幕府要人により鎌倉の地に浸透。最先端の禅宗や中国風の文化に触れ、バリエーションに富んだ仏像が生まれた。同展は鎌倉国宝館(神奈川県鎌倉市)の所蔵品や近隣の寺院に伝わった仏像など、重要文化財26件を含む53件を展示する。
「縁切り寺」で有名な東慶寺に伝わる「水月観音菩薩遊戯(ゆげ)坐像」(神奈川県指定文化財)は、「遊戯坐」と呼ばれる鎌倉の仏像独特の坐法で作られた代表作。鶴岡八幡宮伝来の「弁才天坐像」(重文)は、鎌倉時代に流行した裸形の上半身に布製の衣を着せた「裸形着装像」だ。
また、髭(ひげ)を植毛で表した建長寺の「伽藍神像(がらんしんぞう)」(重文)は、異国風の要素が強い。
鎌倉国宝館の鈴木良明館長は「これほどの文化財が鎌倉から外に出るのは、おそらく初めて。鎌倉文化を堪能してもらえれば」としている。
開館時間は午前9時30分から午後5時(4月25日以降の金曜日は7時まで)。4月28日と5月5日は除く月曜日と5月7日休館。
観覧料は一般1300円、高校・大学生800円、小・中学生500円。問い合わせは、NTTハローダイヤル、050(5542)8600。
▼ 記事の詳細は本紙をご覧ください
購読のお申し込み