考古学

姿現す謎の独自施設 - 「十字廊」跡発見/薬師寺

薬師寺十字廊の基壇を飾った羽目石と石が敷かれた雨落溝=13日、奈良市西ノ京町 拡大

 奈良文化財研究所は13日、薬師寺(奈良市西ノ京町)の境内で、十字型の建物「十字廊(じゅうじろう)」跡が見つかり、建物や基壇の規模が判明したと発表した。同寺独特の施設で、奈良時代後半に建てられた推定。北側では参道とみられる石敷きも見つかり、古代寺院の伽藍(がらん)の様相を知る貴重な成果といえる。

 薬師寺境内整備に伴い、昨年9月から約768平方メートルを調査。

 砂土と粘土を交互に突き固めた「版築(はんちく)」の工法を用いた基壇や、礎石の据付き痕跡の穴を新たに19個を確認。基壇の外装を飾った「羽目石(はめいし)」(長さ20〜60センチ、幅18〜20センチ)や石を敷いた雨落溝も見つかった。

 十字廊の基壇の規模は東西廊44・4メートル、南北廊21メートル前後で、幅がいずれも8・1メートルと推定。建物は東西廊42・3メートル、南北廊14・7メートル以上、幅5・1メートルで、古文書の「薬師寺縁起」に記された建物規模とほぼ一致した。

 一方、十字廊の北側では、石敷きを南北に長さ約6・9メートル、幅約50センチ確認。伽藍の中軸線上に位置し、過去の調査で十字廊の南側にある食堂(じきどう)と講堂の間で同様の遺構が見つかっていることから、南北を結ぶ参道の可能性が高い。その北側では十字廊と石敷きで結ばれた礎石建物跡も見つかり、門の可能性もあるという。

 十字廊の役割は不明だが、「食殿(じきでん)」の別称から、僧侶の食事に使われた食堂に関連した施設との説もある。

 調査を担当した奈良文化財研究所の庄田槙矢さんは「境内の東西南北を有機的に結ぶ廊下の役割と食堂の付帯機能を併せ持った複合施設だったのでは」としている。

 遺跡の現地説明会は15日午後1時30分から。少雨決行。境内のため拝観料が必要。問い合わせは同研究所研究支援課、電話0742(30)6736。

 

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