卑弥呼の墓に迫る - 「箸墓の遺物」一堂に/桜井市立埋文センターで特別展

邪馬台国の女王卑弥呼の墓とする説もある桜井市箸中の箸墓古墳(3世紀中ごろ〜後半)から出土した遺物を一堂に集めた特別展「HASHIHAKA」が16日、同市芝の市立埋蔵文化財センターで始まった。3月23日まで。
箸墓古墳は日本列島で最初の巨大古墳で、前方後円墳などが築かれた古墳時代の始まりを考える上で最も重要な古墳とされる。ただ墳丘は陵墓として宮内庁が管理し、立ち入りが禁止されている。
特別展では、宮内庁や県立橿原考古学研究所が所有する遺物が地元に里帰り。センターによると、市教育委員会所有のものも含めて同古墳関連遺物がそろうのは初めて。パネルを含む189点を展示しながら、最新の研究成果を紹介している。
宮内庁所有の二重口縁壷(つぼ)型埴輪(はにわ)や特殊器台、特殊壷などは古墳祭祀(さいし)に伴い墳丘上に配置されたと考えられている。
墳丘周辺から出土する土器は古墳の築造年代の情報を提供。放射性炭素14年代法の測定では西暦240〜260年という結果も出され、年代論に拍車をかけた。
発掘調査や3次元レーダー測量などにより、当時の古墳の姿についても研究が進む。今回は墳丘の復元模型(500分の1)を手作りして初公開。後円部と外堤をつなぐ渡り土堤のはぎ取り土層も展示している。
同センターは「箸墓古墳にだけテーマを絞った展示会は他の機関でも初めて。普段墳丘は見えないが、再び考えを深める機会となれば」と話す。
特別展はセンター開館25周年を記念した「箸墓再考プロジェクト」の一環。
関連イベントで、3月16日に市民会館でシンポジウム「箸墓再考」を開催。午前9時半開演。先着1200人。参加無料。
同1日には箸墓古墳の模型づくりの体験講座を開く。子どもの部は午前10時から、大人の部は午後2時から。各部先着25人。参加費300円。
同8日には箸墓古墳周辺(墳丘外)を歩きながら検証する遺跡ウオークがある(先着30人)。同15日には周辺の古墳群を巡る(先着100人)。参加費100円。
関連イベントは往復はがきでの申し込みが必要。問い合わせは同センター、0744(42)6005。
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