社会

2点がローマ系ガラス - 世界で初めて確認/天理参考館所蔵のササン朝円形切子碗4点

ローマ系ガラスと判明した円形切子碗=天理大学付属天理参考館提供 拡大
平成20年の正倉院展で展示された白瑠璃碗=奈良国立博物館 拡大

 天理大学付属天理参考館は11日、同館が所蔵するササン朝(現在のイラン)様式の円形切子碗(6世紀)4点を蛍光エックス線で分析した結果、うち2点がローマ系ガラスと判明したと発表した。これまで同形の碗はササン朝系のガラスしか知られておらず、ローマ系の碗が確認されたのは世界初という。

 正倉院宝物にも同形の「白瑠璃碗」があり、ササン朝製とされてきたが、今回の分析結果からローマ製だった可能性も出てきた。

 ガラス組成の分析は昨年8月、中井泉・東京理科大学教授の研究室と共同で実施。その結果、円形切子碗4点のうち2点が、当時の東ローマ帝国だけで産出された「ナトロン」(天然ソーダ)を原料としたガラスだったと判明。残る2点はササン朝系の特徴とされる植物灰を使ったガラスだった。

 このことから、代表的なササン朝様式とされる円形切子碗は、すべてササン朝系ガラスではなく、二つの組成タイプがあることが分かった。2種類ある理由は、ササン朝に2タイプの碗が存在した▽国境近くでローマ系ガラスを入手して作った▽円形切子碗をローマで模して作った―などが考えられるという。

 正倉院の白瑠璃碗のガラス組成は不明だが、製造場所や伝来ルートの研究に一石を投じそうだ。

 天理参考館の巽善信学芸員は「もし白瑠璃碗がローマガラスなら、ササン朝が押さえていた陸路のシルクロードを避け、海路で運ばれたはず。正倉院宝物には南方由来の品も多いので、可能性もあるのでは」としている。

 今回の円形切子碗は、天理市守目堂町の天理参考館で開かれている新春展「シルクロードを彩る人工の華・古代ガラス」で展示中。また18日午後1時から同館で緊急説明会「正倉院形カット・ガラスの新説」を行う。展示は3月5日まで。

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