社会

志賀直哉の観音像発見 - 早大の博物館に

早稲田大学会津八一記念博物館が所蔵する観音立像

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 「暗夜行路」などの作品で知られる小説家、志賀直哉(明治16〜昭和46年)が奈良市高畑町の居宅に安置していた平安時代の観音立像が、早稲田大学会津八一記念博物館(東京都新宿区)にあることが分かった。呉谷充利・相愛大学教授らが20日発表。「東洋への回帰」を唱えた志賀直哉の精神性を物語る資料という。

 観音立像は文豪の谷崎潤一郎(明治19〜昭和40年)が奈良市の骨董(こっとう)品店で昭和2年に購入し、5年後、志賀に譲った。

 高さ約95センチの一木造りで、左腕などが失われている。谷崎の購入時には修復されていたが、志賀は「不純」として取り除いたという。

 志賀は昭和4年に奈良市高畑町に自宅を建て、昭和13年まで居住。2階の座敷に安置された観音立像の写真が残っているが、所在不明となっていた。

 旧居の復元を手がけた呉谷教授がインターネットなどで調べたところ、同博物館の観音立像の特徴が、写真の観音立像と一致することが分かり、志賀の旧蔵品と判断した。

 志賀は自我を追求する中で精神的に不安定な時期があり、東洋美術に癒やしを見いだした。観音立像は東京に転居後も手元に置かれたが、昭和20年代初めに経済的な理由で手放したという。

 同博物館には東京の富岡美術館から平成16年に寄贈された。

 呉谷教授(建築・文学)は「東洋への回帰を証言する観音像で、文学史にとっても一級の資料」と指摘。

 観音立像の所在を追い求めてきた梁瀬健・大阪教育大学名誉教授は「偶然が重なった結果で、観音様も出たかったのでしょう」と話した。

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