総合

脊髄損傷マウスが歩行 - 神経の再生に成功/先端大・中島教授チーム

 神経細胞を作る元になる神経幹細胞と、てんかん薬を併用して効率良く神経細胞を再生させ、脊髄(せきずい)を損傷して歩けなくなったマウスを歩けるまでに回復させることに奈良先端科学技術大学院大学(生駒市高山町)の中島欽一教授(神経科学)などのチームが成功し、16日付の米医学誌電子版に発表した。チームはこの手法を「HINT法」と命名。今後は霊長類で試し、人間での臨床応用を目指す。脊髄損傷のほか、脳卒中やパーキンソン病治療への応用が期待されている。

 脊髄を意図的に損傷させたマウスを使って実験。21匹中、約7割が歩けるようになり、残りの3割も機能回復が確認できた。

 これまで人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った神経再生がマウスで試みられているが、チームは、抗てんかん薬の「バルプロ酸」が神経幹細胞の遺伝子構造を変え、高い効率で神経細胞を作り出すことに着目。幹細胞を損傷した部分に移植、バルプロ酸の投与を1週間続けた。

 歩けるようになったマウスを調べたところ、移植した幹細胞から生まれた神経細胞が、バルプロ酸投与時の1%以下から約20%まで増加、損傷個所をバイパス状につないでいた。回復レベルを示すBBBスコア(20点満点)は10点で、股関節やひざ関節が動き、歩くことができた。

 移植した幹細胞からできた神経細胞を除くと再び歩けなくなり、移植細胞が直接効果を発揮していることも確かめた。

 交通事故で生涯、下半身付随となるなど、治療は困難とされてきた脊髄損傷の治療に向け、大きな前進となりそうだ。

 中島教授は「幹細胞とてんかん薬を組み合わせた世界初の試み。新たな神経細胞がリレーすることで、脳の指令を損傷個所の後ろへ伝えることができた。脊髄損傷や脳卒中など、人の治療につなげたい」と話している。

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