社会

平城宮役人は「肉食系」? - 禁止されてもブタ・ウシ食卓へ

東方官衙で見つかったトイレとみられる穴。尻をふいた木ぎれが散乱=奈良市佐紀町(奈良文化財研究所提供) 拡大

 奈良市の平城宮跡で見つかった奈良時代後半のトイレ跡に、当時のふん便が残っていることが、奈良文化財研究所の調査で分かった。寄生虫の種類から、ブタやウシを食べていたことが判明。奈良時代にはイノシシなどの殺傷禁止令も出されたが、役人の食卓には動物の肉が上っていたらしい。

 トイレとみられる穴は東方官衙(かんが=役所)地区で6基見つかり、うち5基にふん便がたい積していた。穴の直径は約60センチで尻をふいた木ぎれも約300本出土。

 同研究所が内容物を分析したところ、ブタやウシから感染する寄生虫卵が検出された。

 古代のタンパク源は魚が主食で、天武天皇がウシ、ウマ、イヌ、サル、トリの肉食を禁止したほか、聖武天皇の天平2(730)年にもイノシシなどの殺傷が禁止された。

 ブタを媒体とする寄生虫卵は、古代の迎賓館だった鴻臚館(こうろかん=福岡市)でも検出されたが、外国人の専用トイレとみられている。

 今回のふん便について同研究所は「宮内の役所エリアで、外国人が入る可能性は少ない。日本人が食べたとみてよいだろう」としている。ほかにも、アユやコイの摂取を示す寄生虫卵やキイチゴ、ナス、エゴマ、ウリなどの種が検出された。

 同研究所の今井晃樹・主任研究員は「禁令を裏返せばそれほど食べられていたということ。肉食が考古学的に裏づけられ、当時の食生活を示す貴重な資料」と話している。



◇金原正明・奈良教育大学教授(環境考古学)の話

 当時の日本人が寄生虫に感染するほどブタやウシを食べていたとは考えにくい。宮内に外国人が登用されていた可能性もあるのではないか。

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