人 ゆめ 未来 大和川

人・ゆめ・未来 大和川 (vol.6)

みんなで見守る大和川 Cプロジェクト計画

 ぽかぽか陽気に誘われて、まもるさん一家はごみ拾いをしながら河川敷を散歩中。まなぶ君が堤防の上に見えるオレンジ色の車を見つけました。


登場人物(川を見守る河川愛護モニター(2007.7〜2008.6)Yさん、大和川を管理する河川事務所の河川パトロール員)

365日のパトロール

イメージイラスト:堤防パトロールまなぶ

 わあ、オレンジ色の車だ。おじさんが川を見ているよ。ねえ、おじさん、何を見ているの?



河川パトロール員

 川の様子で変わったことがないか、パトロールしているんだよ。堤防の様子や河川敷の様子、また水質についても見える範囲でチェックしているんだ。


そなえ

 それは心強いわね。たしか堤防の中身は、随分昔につくられたものが多くて、堤防に適さない土が中心部に残っているところもあったのよね。改修事業も行われているし、定期的に監視もしているとは聞いていたけれど、堤防だけじゃなくて、もっといろいろな観点でも点検されているんですね。ところで、今日初めてお見かけましたが、しょっちゅうされているんですか。

■関連ページ(vol.2 知っていますか、堤防の中)


河川パトロール員
 このパトロールカー数台が手分けして、365日、河口から上流まで大和川の受け持ち区域を見て回っています。また毎日車でパトロールしながら一部は徒歩でも見回っています。少しずつ場所を変えながらおよそ1カ月で全域を徒歩で回れるように、計画的を立てて見回っているんですよ。


まもる

 1日も休まずですか。知らなかったなあ。どんな変わったことがあるんですか。



河川パトロール員

 例えば、ある地点で魚が大量に死んでいる場合、水質に何か毒性のあるものが混じっているのではないかと疑われますね。堤防上の道に陥没があるかどうかなどというのもチェックの対象になります。それから不法投棄。これは警察にも通報し捜査をお願いする場合があります。車が誤って川に落ちるという、交通事故を発見することもありますよ。警察より早く駆けつけたこともあるんです。


まもる

 水質も危険度の高いものを、そうして監視しているんですね。もちろん僕らが出す生活排水も大和川の汚れの80%以上を占めているんだから、一人一人ができるだけ美しいまま水を自然に返す努力は続けていかなければならないね。

■関連ページ(vol.4 小さな努力を集めて清流に〜やってみよう、社会実験〜)


そなえ

 そうよ。人間にとってはほんの少しの汚れも、川に住む生き物を住めない環境にしてしまうのよ。もちろん飲み物や食べ物も川にとっては汚れでしかないの。下水道が整備されている地域でも、水環境を守るためには私たち主婦もできるだけ水を汚さない工夫をしていかなければいけないのよ。憂子さんが洗剤の量を減らしてアクリルタワシを使い始めたように、できることから少しずつ一人一人が続けていけば、きっと大和川もきれいな流れを取り戻せると思うわ。

■関連ページ(vol.3 「主婦力」で川は変わる)


写真:大和川に不法投棄されたゴミ

まなぶ

 ねえ、不法投棄って何?



まもる

 河川敷などに捨ててはいけないものを捨てることだよ。例えばテレビや冷蔵庫など処分にお金がかかるものが捨てられていることがあるんだ。


まなぶ

 悪いことをする人がいるんだね。そんな大きなものは拾えないけれど、小さなごみなら僕も拾えるよ。


そなえ

 大和川河川事務所が処理をしているごみだけでも、1年間に3,000万円もの税金がかかっているのよ。流域の市町村が処理している費用も含めれば、本当に多額の税金がごみのために使われているの。


河川パトロール員

 大変ありがたいのは、たくさんのボランティアの方々が、あなたたちのように無償でごみを拾ってくれていることなんです。私たちが見回っていると、「ごみを集めておいたからね」と声をかけてくださるのです。パトロールをしていて、ごみの多さは本当に実感していますが、こうしたたくさんの大和川を愛する方々がいるというのがうれしいですよ。


まなぶ

 僕たちも川の様子をよく見て、変わったことがあればおじさんに教えてあげるよ。また会えるといいね!


住民も見守る川の様子

Yさん

 まあ、感心ね。私も川のようすを報告しているのよ。



まなぶ

 おばさんも?



河川愛護モニターの方が実際に撮影した大和川の写真Yさん

 私は河川愛護モニターといって、月2回定期的に川のようすを報告しているの。水かさが増した後、大量のごみがからまっていたり、大型ごみが捨てられていたりすれば報告するし、河川敷でゴルフの打ちっぱなしやラジコンで遊ぶなど、危険な遊びを見かけると伝えることもあるわ。私の報告をもとに、周辺の自治会へ河川敷利用についての回覧板が回ってきたことがあって、私たちの声が届いているんだなと感じたわ。


そなえ

 住民もともに大和川を見守っているんですね。



Yさん

 モニターは定期的な報告以外にも随時川のようすを報告しているの。今日のように気持ちのいいお天気の日にはたくさんの人が釣りをしたり、散歩をしたりして、河川敷ではのどかな風景が今も見られるわ。でも大雨で増水して水位が下がった後の大和川は、上流から流れてきた大量のビニール袋やペットボトルがせっかく整備されている河川敷のテニスコートや川岸にへばりついて、本当に悲惨な光景になってしまうの。


まもる

 そうですね。今日は僕たちもごみを拾いながら歩いているんですが……。確かにプラスチックごみがとても目立ちます。このプラスチックごみは半永久的に分解されず、川から海に流れ出て、海洋生物が誤って食べて命を落とすことがあるんです。川の景観だけでなく、生き物の命を奪うことだってあるということを、もっと意識しなければいけないですよね。

■関連ページ(vol.5 たまり続けるプラスチックごみ)


Yさん

  残念ながら今、大和川のモニターの報告会で一番多い意見は、ごみの多さです。モニターはそれぞれ担当エリアが決まっていて、私は今八尾市内を流れる大和川の右岸2キロメートルが担当なのですが、上流から下流まで全域のモニターの共通した意見が、大和川にはごみが多いということなんです。


そなえ

 せっかくの憩いの場も、たくさんのごみで台無しになってしまうわ、残念ね。



Yさん

 子供たちが小さなころからよく河川敷に遊びに来ていましたが、モニターをし始めて、川の水質もごみもすべて私たちの生活とは切っても切り離せないものだと理解することができるようになったんです。それに、川の脅威から私たちの生活が守られていることにも気づきました。ときどき堤防の改修工事を見かけますが、これも私たちの地域を浸水から守ってくれているんだなと思って見ています。


まもる

 そうですね。川と私たちの生活は本当に密着しています。私たちが川に与える影響にも常に気を配らなくてはなりませんが、逆に川からの影響も頭に置いておかなければならないと思います。大雨で川の水かさが一気に上昇した場合など、浸水の危険性もありますからね。近年行政が公開している浸水想定区域図やハザードマップで我が家の安全をきちんと確認しておく必要があると思います。我が家は大丈夫とたかをくくらず、インターネットや携帯電話などからもリアルタイムの情報を得られるようになっていますから、新しい情報をとらえて適切な避難行動をとることが、自分の命を守ることになると思いますね。

■関連ページ(vol.1 情報集めて逃げるが勝ち 〜集中豪雨に気をつけて〜)


Yさんが撮影した看板の写真Yさん

 私は結婚して30年、大和川の近くに住み、子供と一緒に河川敷でよく遊びました。ただ、川は危ないから近づいてはいけないと言ってきたのです。子供はもう大きくなって家を離れましたが、今もここに帰ってくると、朝、河川敷にジョギングに出かけます。川は心のふるさと、という看板が立てられているのですが、子供にとってはまさにそうなんだなと実感しますね。今回河川愛護モニターになって、川と自分たちとの関係についていろいろ学ぶことができました。これをきっかけに、私の周りの友人たちに1人でも多くアクリルタワシの効果を紹介するなど、少しでも心のふるさと、大和川に関心を持ってもらい、そのふるさとを少しでも美しいものにするために働きかけ、ずっと大和川を見守っていきたいと思っているのですよ。


まなぶ

 僕が大人になるころには、きれいな大和川になっているかな。



そなえ

 人の手によって今の大和川の姿があるのなら、美しい大和川の姿をつくるのもまた、できないことではないはずよ。そのためにも、これからもしっかり大和川を見守っていかなければいけないわね。


まもる

 そうだね。もちろん住民は皆「大和川見守り隊」の一員なんだよ。



まなぶ

 うん、僕も大和川見守り隊の隊員になるよ!



そなえ

 それじゃあ、気候もよくなって来たことだし、ご近所のみなさんも見守り隊にさそってみたらどうかしら。河川敷には運動公園や自転車道が整備されているところもあるし、桜の花が咲く場所もあるのよ。健康づくりもかねてみんなで出掛けましょう!





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