人 ゆめ 未来 大和川

人・ゆめ・未来 大和川 (vol.1)

情報集めて逃げるが勝ち
〜集中豪雨に気をつけて〜

 こんにちは!あなたは大和川のことをどれぐらい知っていますか。大昔からその水を利用し、ときにはその水と戦いながら大和川は今も私たちの生活に密着しています。今回は、大和川流域の大雨などの防災情報についてお伝えします。

登場する家族紹介  

●わが家は何となく大丈夫?

憂 子

 いやだ、また雨……。最近、雨が急にひどく降ることがあるように思うのは気のせいかしら。



そなえ

 いいえ、最近の傾向として実際に集中豪雨が多発しているそうなの。今年7月16日から17日にかけて、奈良県中部では広い範囲で家屋の浸水被害が出たのを覚えてる?このとき大阪府南部から奈良県北部を中心に局地的な大雨となり、大和川流域では大阪府内の富田林市、河内長野市、大阪狭山市、堺市、奈良県内の桜井市、宇陀市、橿原市、葛城市、田原本町において1時間に100mmを超える程の集中豪雨があったそうよ。


憂 子

 そういえば新聞で読んだわ。



そなえ
 奈良県中部にある大和高田市では、床上浸水(※1)60戸、床下浸水(※2)330戸の被害が出たそうだけど、この豪雨であっという間に被害が広がったそうよ。市役所には土のうを求める電話が殺到したんだって。そのとき大和高田市で浸水被害を受けた中川さんという方に、私もお話を聞いたんだけど、中川さんも家の前を川のように雨水が流れていくのを見て市役所に電話したそうなの。でもすでに職員も消防団も出払っていて、仕方なく玄関前で流れ込んでくる水を必死にかき出すしかなく、その間も水は家の裏手からも流れ込んできて、気がつけば1階は水に浸かっていたそうよ。床下からあふれた水で、畳も寝ていた布団も浮き上がっていたんだって。一睡もしないまま、気がつけば朝。雨がやんだ後もなかなか水が引かなかったと話していたわ。


き く

浸水した中川さん宅 おうちの畳や布団が水に浮いているなんて…。



そなえ
 中川さんはぬれてしまった畳は処分したけれど、台風シーズンが終わるまでは新しい畳も入れなかったそうよ。とにかく雨が降るたびに心配で、雨足が強くなるとそろそろカッパを着ようかと思うほど今も落ち着かない日々をお過ごしなの。



憂 子

 大変だったのね。私たちの地域は大丈夫かしら。ちょっと心配になってきたわ。



※1 床上浸水 …洪水などで住家の床の上まで水が浸かること
※2 床下浸水 …床下まで水が浸かること


●最近の浸水被害の特徴

そなえ
 浸水は大きく外水氾濫(※3)と内水氾濫(※4)に分かれるの。自分の住んでいる地域によって、浸水の原因や被害の大きさも変わってくるから、まずそれを確認しなくちゃね。大阪側では、大阪平野は実はほとんどの土地が淀川や大和川の堤防より低いと言われていて、堤防が決壊したりする外水氾濫(※3)へも注意が必要なのよ。万が一堤防が決壊すれば、住宅は押し流されることもあり得るし、5メートルの高さまで浸水する地域もあるそうよ。


憂 子

 屋根の高さぐらいにまで浸水する危険性のある地域が、大和川沿いにもあるのね。



そなえ
 最近ふえているのが、都市で多く起こる内水氾濫(※4)という浸水被害なの。今回の大和高田市の浸水も内水氾濫なのよ。



まなぶ

 「ないすいはんらん」って何?



そなえ
今昔比較図 例えば、中川さんのご自宅も引っ越してきた30年前は、あたり一面空き地で、田んぼや大きなため池もあったそうよ。そのころは、地面が雨水をしばらくため込んでくれてスポンジの役目を果たしていたの。ところがその後、住宅が建ち並び、ため池は埋め立てられ、道路は舗装され、今回のような集中豪雨が降ると雨水は一気に近くの川に流れ込むようになってしまったのよ。
でも、大きな川の水位もすでに急上昇している場合には、大きな川へ流れ込む中小の川の水がスムーズに流れ込めずに、行き場を失った雨水がまわりの道路や住宅地などにあふれてしまう。これが内水氾濫(※4)なの。


憂 子

 都会だからこそ起こる浸水もあるのね。雨水のゆくえなんて考えたこともなかったわ。



※3 外水氾濫、 ※4 内水氾濫 →大和川河川事務所「河川に関する用語集」
http://www.yamato.kkr.mlit.go.jp/YKNET/glossary/18.html - 72


●知ることから始める災害予防〜浸水想定区域図とハザードマップ

憂 子

 この近所では浸水の話は聞かないけど、本当に大丈夫かしら。大雨に備えて何をすればいいかしら。



そなえ

 そうね。まずは、非常持ち出し袋を用意して、いつでも逃げられるようにしておくことが大切ね。さらに、今は、雨が降る前からいろいろな情報が発信されていて、これらの情報をうまくキャッチして動くことができ、自分で災害から身を守ることができる時代なのよ。たとえば国や大阪府、奈良県は浸水が予想される地域やその水深を公表していて、国土交通省大和川河川事務所や各府県庁、各市役所で図面を見ることができるの。浸水想定区域図(※5)といって、インターネットでも見られるところもあるわよ。


憂 子

 自分の住んでいる場所がどんな浸水の危険にさらされているのかが、地図に塗ってある色でわかるようになっているのね。でも、いざと言うときにどこが避難場所なのかも知っとかないとね。


そなえ

 そうね。避難場所が入った地図はハザードマップ(※6)といって、市や町村で作成して住民に公開しているところもあるわよ。こうした情報を活用して、日ごろから家族で避難場所を確認し、確実にたどりつけるルートを話し合っておくことはとても大事だと思うわ。


憂 子

 そうよね。いつもみんな一緒にいるわけじゃないものね。家族それぞれが同じ場所に避難できるようにしておかなくちゃいけないわね。


※5 浸水想定区域図

   大和川河川事務所 http://www.yamato.kkr.mlit.go.jp/YKNET/outline/disaster/disa_01.html

   奈良県河川課 http://www.pref.nara.jp/kasen/bousai/sinsozu/sinsozu.htm

※6 ハザードマップ(大和川河川事務所「河川に関する用語集」)
     http://www.yamato.kkr.mlit.go.jp/YKNET/glossary/24.html - 87

   あなたの町のハザードマップ(国土地理院) http://www1.gsi.go.jp/geowww/disapotal/


●家庭でも楽しみながら学習

まなぶ

 僕は9月に家族で行ったイベントで、たくさんのことを勉強できて、楽しかったよ。



き く

 いいなあ。どんなイベントだったの?



そなえ

 9月8日に橿原市のショッピングセンターであった「防災・減災フォーラム2007in奈良」(※7)というイベントなの。災害に関する備えについて、たくさん学ぶことができたわ。家族で楽しめる工夫もされているの。まなぶもクイズラリーに参加したり、非常食の試食をしたり、災害時に出動する車を見たりして、とても楽しそうだったわ。市町村でも地域で防災訓練を行っているし、防災について学んだり体験したりできる機会はほかにもいろいろあるわよ。


憂 子

 それなら、きくも喜んで行きそうだわ。楽しみながら家族で情報を共有できるって、いいことよね。


※7 「防災・減災フォーラムinなら」の模様  http://www.yamato.kkr.mlit.go.jp/YKNET/event/event_report/2007_0908/index.html


●強くなってきた雨……早速最新情報をチェック

憂 子

 それにしても、家が浸水して避難するなんて……ローンもまだ残っているのに考えたくないわね……。


そなえ

 そうよね。でも今は災害情報はテレビラジオ防災行政無線以外にも、インターネットでリアルタイムで調べることができるのよ。国土交通省、各府県でも情報を提供しているわ。それに大和川河川事務所では、携帯サイトに自分のアドレスを登録しておけば、近くの川の水位が一定のレベルを超えるとメールで知らせるサービスも始めているの。こうした情報をこまめにチェックして、少しでも早く準備を始めることで被害を少なくできると思うわ。


憂 子

 携帯電話なら出先でもわかるわね。便利になったわね〜。そんな情報からどれくらいの被害になりそうかを予測して、大切なものをあらかじめ上げておくこともできるわね。


そなえ

 避難については、市町村が防災行政無線、広報車からの放送や消防団員、町内会などを通じて災害の危険が高まると避難情報を出すことになっているの。避難情報には三種類あって、一番危険度が高い「避難指示」は「今すぐ避難しなさい」という自治体からの指示で、次の「避難勧告」は「被害を受ける危険性が高まったので避難を開始してください」と呼びかけるものなんだって。三つ目の「避難準備情報」は避難持ち出し品の確認、家族への連絡など避難の準備をしたり、お年寄りや体の不自由な方など避難に時間がかかる方が避難を開始する段階だそうよ。


憂 子

 じゃあ、そなえさんのお母さんは「避難準備情報」が出たときに避難するのね。



市町村が出す非難情報

そなえ
 そうね。でも、その情報だけではなくて、さっきのインターネットや携帯電話で取れる情報に基づいて避難を判断するべきなのよ。避難はかけっことは違ってフライングしても良いから自分の歩くスピードや避難所までの距離を考えてできるだけ早く行動することが命を守ることになるの。「逃げるが勝ち」ってことよ!


憂 子

 そっか、いろんな防災機関からの最新情報を自分たちでチェックし、早めの行動を取ることが重要なのね。あら、気のせいか雨の勢いが強くなったみたい。まずは情報ね。携帯電話はどこに置いたかしら……。


そなえ

 憂子さんは家の整理から始めなくちゃだめかもね。


防災情報関連おすすめサイト

▼大和川河川事務所
http://www.yamato.kkr.mlit.go.jp/YKNET/index.html


▼大和川情報発信携帯サイト(大和川河川事務所)
http://www.yamato.kkr.mlit.go.jp/YKNET/mobile/index.html


▼川の防災情報(国土交通省)
http://www.river.go.jp/


▼国土交通省砂防部
http://www.mlit.go.jp/river/sabo/index.html


▼「あなたの町のハザードマップ」(国土地理院)
http://www1.gsi.go.jp/geowww/disapotal/


▼おおさか防災ネット(大阪府)
http://www-cds.osaka-bousai.net/pref/index.html


▼奈良県防災情報
http://www.pref.nara.jp/bosai/index.html


▼奈良県河川情報システム(奈良県)
http://www.pref.nara.jp/kasen/kasendb/top.html


▼奈良県砂防河川雨量情報(奈良県土木部砂防課)
http://www.nara-saboinfo.jp/


▼防災情報提供センター
http://www.bosaijoho.go.jp/


▼水文・水質データベース(国土交通省)
http://www1.river.go.jp/


▼防災情報のページ(内閣府防災部門)
http://www.bousai.go.jp/


▼気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/index.html





Copyright©2007 Nara newspaper