朱雀は「新方式」で−キトラ壁画剥ぎ取り
来月15日に予定されている明日香村阿部山のキトラ古墳(7世紀末〜8世紀初)に描かれた壁画「朱雀(すざく)」の剥(は)ぎ取りで、朱雀の上下に設置した2本のレールに沿って専用器具「ダイヤモンドワイヤー・ソー」を動かすという、新たな剥ぎ取り方法が行われることが、1月25日、分かった。器具を安定させて作業の安全を図ることが目的。文化庁は同日、準備のために朱雀周辺の余白漆喰(しっくい)の剥ぎ取り作業を行った。
レールは長さ約60センチ、幅約3センチのアルミ製。石材には接着させず、壁の上と左右にある石の間に器具を付けて、朱雀(縦約30センチ、横約40センチ)の上下に固定させるという。
ダイヤモンドワイヤー・ソーは、ダイヤモンドを塗したワイヤーを高速で動かして剥ぎ取る器具。朱雀が描かれた南壁は石材の表面に凹凸があり、ワイヤーが不安定になる可能性がある。2本のレールの間に器具を固定することで、作業途中で中断することも可能になり、より慎重な作業ができるという。
この日、実施された作業では、朱雀の足元から約3センチ下の余白漆喰を分割して、作業員3人が特製ヘラを使って剥ぎ取った。31日、2月1日には、朱雀上部の余白漆喰の剥ぎ取りを行い、レールの設置作業をが行う予定。
川野辺渉・東京文化財研究所修復技術部修復材科研究室長は「他の石と比べて南壁の石は仕上げが悪く、十分に平らになっていない。作業の安全を期したい」としている。
(2007.01.26 奈良新聞)
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