余白4カ所剥ぎ取り−「寅」周辺漆喰
文化庁は1月12日、明日香村阿部山のキトラ古墳(7世紀末〜8世紀初)の石室床面で、約4センチから1センチ四方の漆喰(しっくい)片が七片見つかったと発表した。漆喰が塗られている側壁や天井、床面から剥離(はくり)したと考えられるが場所や時期は不明。漆喰片がまとまって見つかったのは、定期点検の発表を始めた昨年5月以来、初めて。
今月9日に実施した定期点検で石室の中央からやや南側の床面に約20センチ四方の範囲で点在。採取して分析した結果、漆喰の破片であることが分かった。床面にも漆喰が残っている場所で、床面から剥離したのか側壁や天井から剥落したものかは不明だという。
同古墳の壁画は修復保存のために北壁の玄武(げんぶ)などが剥ぎ取られ、石室内には南壁の朱雀(すざく)と天井の天文図が残る。ただ、見つかった漆喰片には朱や金箔が付いていないことから、文化庁は壁画のない部分の漆喰の可能性が高いとしている。
同庁文化財部記念物課は、「現在のところ、石室内の急激な環境の変化や壁画の劣化は見られない」としている。
このほか、11日に実施された定期点検では、石室内10カ所で、白いトゲ状や黒い粒状などのカビらしきものが見つかった。いずれも、薬剤を使って除去された。
(2007.01.13 奈良新聞)
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キトラ古墳の石室内床面で見つかった漆喰片=文化庁提供 |