来月13日から「寅」剥ぎ取り−キトラ古墳調査研究委作業部会
明日香村阿部山の特別史跡キトラ古墳(7紀末〜8世紀初)の壁画保存修復方法を検討する文化庁の保存活用等調査研究委員会ワーキンググループ(座長、巽淳一郎・奈良文化財研究所都城発掘調査部副部長)が11月27日、橿原市木之本町の奈良文化財研究所で開かれ、石室内東壁に残る十二支像「寅」の剥(は)ぎ取り作業を来月13日から始めることが決まった。南壁の四神像「朱雀」についても、試験的な余白の剥ぎ取りを行って検証したあと、来年2月14、15日に実施する予定。
今月17日に、ダイヤモンド粉末が付いた鉄製ワイヤーの電動カッター「ダイヤモンドワイヤー・ソー」を使って剥ぎ取った東壁余白の漆喰(しっくい)の状態を検証。実効性などに問題がなかったことから、同器具を使った寅の剥ぎ取りを正式に決めた。
寅は縦約17センチ、横約7センチ。同庁は昨年末に一部を剥ぎ取ったが、漆喰層が石に固着し損傷の恐れがあるため今年1月にヘラを使った作業を断念。新開発したダイヤモンドワイヤー・ソーの導入を決め、今月中旬から試験的に余白剥ぎ取りを行っていた。
同庁では今週と来週にも余白の剥ぎ取りを行ったあと、12月13、14の2日間で寅の剥ぎ取り作業を行う予定。漆喰が薄く、これまで難しいとみられていた朱雀(縦18センチ、横45センチ)の剥ぎ取りにもめどが立ち、残る天井の 天文図についても器具の改良などを検討している。
川野邊渉・東京文化財研究所修復技術部修復材科研究室長は「実際の石室の壁は想像以上に粘りが強く、今回はうまくいったが、次はだめかもしれない。器具の改良を重ねて万全を期したい」と話している。
(2006.11.28 奈良新聞)
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剥ぎ取った余白部分の漆喰を見るワーキンググループの委員ら=27日、橿原市木之本町の奈良文化財研究所 |