のせがわむかしばなし
蕎麦の軸の赤いわけ
昔、山の中で、母親と3人の子供が住んどった。母親は、ある日使いに出る時に3人の子供達に「山姥」が来よるから、私が帰ってくるまでは誰が来ても戸を開けてはならぬ」と言いおいて出て行った。やがて1人の旅人が戸を叩いて「今晩は、開けて泊めて下さい」と頼んだが、子供等は母親の戒を守って開けなんだ。旅人は、山姥が化けとったんや。
山姥ば次には母親に化けてやって来よったので、子供等はやれお母ちゃんが帰ったと思って戸を開けた。夜中にバリバリ音がすんので、上の2人の子が目を覚まして、「お母ちゃん何食べとんのや」と聞いたら、「コンコン食べとんのや」と言うので、ほんで2人も食いとなって行って見たら、俎に血がついとり、末の子の姿が見えんので、2人はこりゃ山姥に違いないと慌てて逃げだし、井戸の横にあった柿の木に登った。
ほいたら山姥も追って木に登ってきよった。そやさかい2人の子は夢中で天の神様に「助けて下さい」と祈ったら、天から鎖が下りてきたので2人はそいつに掴まって逃げた。柿の木ちゅうもんは折れやすい木なので、身の重い山姥が登ったんで折れ、山姥は落ちて死んでしまった。落ちた所は蕎麦畑で、山姥の血が染まって蕎麦の軸は赤なったんやとい。
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