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やまと建築詩

慈光院書院(大和郡山市)

境内全体が一つの茶席

MainPhoto

▲書院の上の間から見た庭園。
低く取った天井など座ったときに安らげる景色をつくりあげている

 小泉藩主・片桐石見守貞昌(石州)が父・貞隆の菩提寺として、寛文3(1663)年に建立した慈光院。境内全体が一つの茶席と考えて造られ、庭園が国の名勝・史跡、茶室・書院・手水鉢が重要文化財に指定されている。

 茶人としての片桐石州は、千利休の長男・千道安の流れをくむ桑山宗仙から学んだ。利休の茶の湯の精神を継承しながら、武士の世に調和した「分相応の茶」を説き広く武家に受け入れられ、のちに四代将軍・徳川家綱の茶道指南となる。

 入り母屋造りの茅(かやぶ)き屋根に桟(さん)瓦のひさしという農家風の姿を持つ書院。床や付書院(つけしょいん)をもつ東側の「上の間」や「中の間」、「下の間」などからなる。座敷に座ったときに落ち着くよう、天井や鴨居の高さを低めに取っている。


▲摂津茨木城の楼門を移築した山門、茨木門から見た書院


▲庭園に3つある重文の
手水鉢のひとつ「独坐」

 書院に接して二畳台目の茶室「高林庵」と三畳の「閑(かん)茶室」がある。高林庵は、手前畳の奥に床の間がある片桐石州好みの「亭主床」。全国で現存する茶室の中で、年代や作者などが証明できるものの中では最古の席といわれる。「閑茶室」は、道安好みの逆勝手の席。明るい「高林庵」と比べるとやや暗い席だ。

 書院から見える白砂の庭園には「独坐」「角ばらず」「女(め)の字」(いずれも重文)の手水鉢が。庭の借景には大和青垣の山並みが望めるが、この景観と環境を守るため、先代住職は隣接地を買い取ったり植林するなど努力している。


▲高林庵と比べて暗い茶室
「閑茶室」は道安好みの逆勝手の席


▲片桐石州好みの高林庵は明るい日差しが入る



DATA

● 臨済宗大徳寺派 円通山慈光院 ●

大和郡山市小泉町865

電話0743(53)3004

拝観は年中無休で午前9時から午後5時まで

料金は小学生以上1000円(抹茶接待込み)

精進料理の石州料理(3800円、6300円)も楽しめる(要予約)

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)


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