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農のある風景

結崎ネブカ(川西町) ■27■

甘くて濃厚な幻のネギ

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 煮炊き物に最適で、戦前まで大和野菜の代表格として人気があった結崎ネブカは「甘くておいしい幻のネギ」。川西町結崎で、このネギの出荷が始まった。

 結崎は能「観世流」発祥の地。ゆかりの「面塚」もある。「室町時代。ある日、一天にわかにかき曇り、空から異様な音と共に寺川のほとりに落下物があった。翁の面が一つと一束のネギだった。村人は能面をその場にねんごろに葬り、ネギはその地に植えた。それが成長し結崎ネブカとして知られるようになった」との言い伝えがある。

 九条ネギなどと同じ「葉ネギ」の仲間。通常のネギより栄養価が高く、「柔らかい」「とろっとした濃厚さ」「甘みが引き立つ」などの特徴を持ち、薬味でなく、主菜として、すき焼きや焼き鳥、ネギ焼き、鴨鍋など多くの料理に使える。しょうゆと相性がよく、火を通すとネギ特有のにおいも少なくなり、子どもたちにも食べやすい。

 平成14年に川西町で地域特産事業品づくりが行われ復活した。4年前に結崎地区の3軒の農家で植え始め、現在はJAならけん結崎ネブカ生産部会で作られる。12軒の会員で今年度約15トンの生産を目指す。

 同町下永の松村宇郎さん(73)方の約600平方メートルの畑でも出荷が始まった。ネブカは柔らかいため、畑では折れたり倒れたりしているものも多い。午前中に収穫し、変色した葉や根を洗浄、オリジナルの絵柄の袋に小分けしていく。虫や雑草、収穫後の手入れなど、手がかかる野菜だが「小学生の孫が給食に出たネブカをみて『おじいちゃんのネギだ』と言って喜んでくれるので」と精を出す。

 出荷は先月から最盛期に入り、来年2月いっぱいまで出荷する予定。すべて大和郡山市内の青果市場に送られ、県北部のスーパーを中心に販売されている。



【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)

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