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農のある風景

ミョウガ(五條市) ■26■

花穂が顔出し秋告げる

写真

 「物忘れがひどくなる」という俗説もあるミョウガ。ショウガ科の多年草で東アジアが原産。大陸からショウガと共に持ち込まれたと考えられ、日本には野生種がなく人間の生活範囲内で見られる。

 普段食べるのは花穂の部分。秋を告げる味覚として、夏の終わりごろから秋にかけて収穫するが、内部には花のつぼみが数個から10個程度入っている。また春の味覚としては、若芽を軟白栽培したものを「ミョウガタケ」と呼んでいる。若芽が成長するとショウガのような細長い葉っぱが生えてくるが、茎の先端には花が咲かない「偽茎」と呼ばれるもの。花は、茎の近くの地面から顔を出すのがおもしろい。

 主な生産地はハウスで周年栽培を行っている高知県などだが、県内でも五條市では古くから栽培を行っている。五條市大深町の大深出荷組合では約40戸の農家が合計約3ヘクタールの畑で植えている。柿畑の一角、畑といっても山の斜面にササの葉のような細長い葉っぱと1メートルぐらいの茎が密集しているのがミョウガ畑。

 出荷組合の武田守司さん(70)の畑にうかがった。高野山に向かう旧富貴街道沿いの畑は眺望がいい。収穫前の畑では、茎が数多く生える斜面に、大きな花穂がいくつも地面から顔を出していた。同地区の上岡国太郎さん(故人)が大正時代からミョウガ栽培の研究をはじめたといわれ、ミョウガ栽培の元祖。この地区のものは人気があり、そのため生産者も無農薬にこだわっている。

 武田さんは「温暖化の影響で収穫時期がだんだん遅くなっている。標高500メートルのこの地も夏は暑くなっている」と話す。今年は9月7日ごろから収穫を始め、来月10日ごろまで行うという。大阪や京都の卸売市場を経由して近畿一円の料亭やスーパーなどに並ぶという。



【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)

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