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農のある風景

サクランボ(五條市西吉野町) ■23■

気候生かし甘く鈴なり

写真

 県では難しいといわれてきたサクランボの栽培を五條市西吉野町湯塩の県果樹振興センター(今川順一所長)が約10年かけて研究し、いよいよ各栽培農家で商品化が始まった。

 センターでは約300本の木を植え、早期多収を目標に、奈良の気候風土に適した品種や栽培方法を研究してきた。たとえば10年かかる収穫期を5年に早める研究や、10アールあたり1500本の木を植え収穫量を増やすなど、不可能とされてきた奈良の気候を逆に生かした生産方法を見つけた。

 甘くて評判の「佐藤錦」は有名だが、着色期から収穫期に曇りや雨天が続くと果実が割れて商品にならないという。奈良に合う品種「高砂」は佐藤錦よりも数日早く、主産地の山形よりも約2週間早く収穫できる。糖度も20度以上と佐藤錦にひけをとらない。また、2〜3週間遅れて収穫できる「ナポレオン」は大玉で糖度も22度以上で酸味も多く濃厚な味が特徴。

 サクランボは天理市や桜井市、田原本町、明日香村、五條市西吉野町などで15軒(約1.8ヘクタール)で栽培され、約5年で商品化がスタートした。毎年、センターのサクランボが実るころ、栽培農家が集まって研究会を開いている。

 センターの「高砂」は、4月20日ごろに開花。50日後の5月下旬に収穫できる予定だったが、1週間ほど遅くなった。取材日は収穫前で、緑の葉の裏側に薄赤く、かわいらしい実が鈴なりになっていた。



写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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