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農のある風景

自給自足のレストラン(奈良市) ■22■

伝統野菜で地域交流も

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 食の安心・安全への関心が高まるなか、大和の伝統野菜を中心に、自分たちで使う分は自分たちで作ろうというレストランがある。奈良市高樋町のレストラン「清澄(きよすみ)の里 粟(あわ)」(三浦雅之代表)。三浦代表やスタッフ、契約した農場は、市場の流通ルートに乗らない農家が自分たちが食べるために育てられてきた大和の伝統野菜を育てている。

 ログハウス風のレストランを囲む約400平方メートルの畑や周囲(精華地区)の農家で、奈良に代々伝わる大和野菜やトマトに加え「エアルーム」と呼ばれる海外の先祖伝来の家宝種を栽培している。夏前後や秋などの収穫期には、店で使用する分の9割ぐらいまで自給できるという。今は山菜類やイモ類、タケノコ、ウドなどが最盛期を迎える。

 福祉関係の仕事をしていた三浦さんが、新婚旅行先のアメリカで、伝統野菜と文化の不思議なつながりを見つけた。「伝統野菜が守られている地域は文化もしっかり受け継がれ、人のつながりも深い」。野菜を介して地域の交流が成り立つことを、奈良でも数年かけて実践した。

 「大和野菜は自給自足の精神」という三浦さん。売るためではなく、自分たちが食べるため、伝統を守るために少しずつ生産していた大和野菜の種を集め、近所の人に配ったり、育て方を教えあったりする横のつながりで精華地区に広めた。この結びつきが、やがて伝統野菜を研究栽培するNPO法人「清澄の村」に結実する。

 県でも伝統野菜の第一人者として活躍。野川芋、ひもとうがらし、黄金まくわ、大和三尺きゅうり、八ツ頭、仏掌芋、烏播(ウーハン)など大和野菜を求めて、県内はもとより、大阪や京都、三重県などからも店を訪れる。



【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)

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