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農のある風景

タラの芽(桜井市) ■20■

“おいしい春”出番待ち

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 春の味覚タラの芽は、独特の香りとほのかな苦さがあり「天ぷらの王者」といわれる。マッチの軸などに使われるウコギ科のタラの木の芽で、5センチぐらいのものが食べごろ。山野に自生し、高さは5メートルぐらい。国内各地で採れ、4月から6月上旬が旬。

 県内では桜井市小夫嵩方(おおぶだけほう)を中心に11軒の農家で促成栽培を行っている。25年ほど前に「冬場に仕事ができるものを」と、当時は明日香村と室生村で行っていたものを参考にした。1年目は失敗に終わったが、2年目以降は成功。数年前には青果市場の紹介で本場の徳島県で研修も。

 栽培方法は、木の芽が生えるところから下に10センチぐらいのところで切り、発泡スチロールの箱に立てて育てる。箱はビニールハウスの中で遮光した状態で約1カ月置くと約5センチの食べごろの大きさになる。1本の木で35個ぐらい採れるが、親木は病気に弱いのが難点。

 この地区では2度収穫を行い、1度目は1月下旬から、2度目は2月下旬から出荷するが、2月の雪の影響で2度目の出荷が10日ぐらい遅れているという。1パックに約50グラム詰め、昨年は8800パックを生産し今年は1万4000パックを目指すという。

 桜井市小夫嵩方の農業、杏西昭典さん(79)は同地区で初めて栽培に取り組んだ農家の一人。大きく育った芽を根元からハサミで切り収穫する。小型のハウスに2段分びっしりと発泡スチロール箱が並ぶ。白い枝の切り口の脇から黄緑の色鮮やかなタラの芽が。

 これらはJAならけんを通じて県内や大阪のスーパーや生協、料理旅館などに卸される。生産者や管轄するJAならけん上之郷支店の人たちは「上之郷のタラの芽として名前が通るように良いものを作り続けたい」と意気込んでいる。



【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)

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