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農のある風景

地産地消(奈良市) ■16■

相互理解で安全な食を

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 地元で採れたものを地元で消費する「地産地消」。消費者と生産者が近いため理解を深めやすく、安全・安心な食を求める消費志向の追い風も受けて、最近、特に注目されている。奈良市内の農家と同市内の日本料理店を通じて地産地消を見た。

 奈良市奈良阪町の農業、辰巳直大さん(29)は、7代続く農家の長男。直大さんは県の農業大学を卒業後、横浜市内の近郊農業を見て「奈良はこれだ」と直感。自宅近くで近郊型農業を実践している。

 約30アール(計7枚)ある畑の一部では最近、人気が出ている大和野菜の栽培を始めた。三尺キュウリやヒモトウガラシ、ムラサキシシトウなどを作る。その腕を見込んだのが奈良市下御門町の日本料理店「江戸川ならまち店」の桐田利夫料理長(48)。

 地元の人にも大和野菜を食べてもらいたいと同店が平日限定で始めたのがランチメニュー「大和野菜のにぎわいランチ」。メニューの「前菜10種の盛り合わせ」などの大和野菜は辰巳さんのところで採れたもの。最近はランチメニュー以外の野菜も多く仕入れる。1軒で出荷する量が足りないときなどは、辰巳さんの所属するJAならけん奈良支店朝市組合のメンバーに頼んで数を集めることもある。

 畑では、ロマネスコというカリフラワーの一種など桐田料理長が頼んで植えてもらっているものや、同店向けに量のまとまったものも作る。この日は、秋ナスやムラサキシシトウなどを二ケース分出荷した。地産地消は減農薬の方法など、さまざまな情報もお互いの顔が分かるだけによく伝わる。このような方法は大量消費時代の前にあった昔の普通のやり方だったのかもしれない。これからの農業の理想像だろうか。



【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)

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