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やまと建築詩

藤岡家住宅(五條市) ◎登録有形文化財

玉骨生家に昭和の面影

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▲修復工事の後、藤岡家に残されていたラジオなども元通り並べられ
「昭和」の風情を取り戻した館内

 「大和俳壇の王者」と称された藤岡長和さん(雅号・玉骨)の生家が五條市近内町にある藤岡家住宅。近年は住む人もなく荒れてきていたが、孫で茨城県在住の藤岡宇太郎さんが「地域活性化につながる有効利用を」と提案し同氏により修復された。管理運営するNPO法人「うちのの館」(田中修司理事長)も立ち上がり、きょう14日に同館のプレオープンが行われる。保存と活用に多くの期待が集まる。

▲内蔵の入り口には光庭があり明るい

▲美しく修復された主屋と内蔵

 藤岡家は江戸時代から続いた庄屋で玉骨の父親は初代の北宇智村長。玉骨は明治21年に11人兄弟の長男として生まれた。東京帝大卒業後、中央官僚として、大正から戦前にかけて活躍。熊本、佐賀、和歌山三県の官選知事や石川、長野各県の県警察部長を務めた。俳人としても知られ、与謝野鉄幹・晶子夫妻や高浜虚子ら俳人や森鴎外、石川啄木など多くの文人と親交を深めた。晩年は郷里に帰り大和の俳壇を導き昭和41年に没した。

 NPO法人としては、同館を拠点に文化芸術などを通じてさまざまな文化活動を図ることが目的。民俗資料館や地域交流館、地域文化財の調査研究、休息施設などを行う。

 築地塀に囲まれた敷地には主に5つの建物が点在している。一番古いのは寛政9(1797)年に建てられた内蔵で、主屋は天保3(1832)年の建築。道を挟んだ米蔵までまとめて平成18年3月2日に登録有形文化財になった。

▲内蔵2階部分は展示スペース
として公開。玉骨にまつわる
多くの品物などが展示される

▲館内には藤岡家や玉骨ゆかりの物が数多くある

  現在、修復が終わったのは主屋と内蔵など。茶室がある別座敷は来年春に完成予定。古いラジオやテレビなどが元の通り置かれた室内は昭和の時代に逆戻りしたようだ。主屋は玄関から入ると左手に和室が七間。右手には事務室と、元のダイドコロがある。和室の間取りは少し変わっていて、変則的な四間の東西には広縁と小さな和室が付き、南奥には広めの和室が二間接続している。

 主屋と内蔵の接続部には光庭も。内蔵は資料の展示スペースとして玉骨ゆかりの品々が展示される予定。主屋と別座敷を結ぶ渡り廊下は途中まで修理中だが、渡り廊下には玉骨の部屋だった小さな和室も。ここからは大きな邸宅を一目で見渡すことができる。屋外には瓦庭やテラス庭も整備。ハイカーの休憩場所も整備される。

 敷地の一段高いところには別座敷があり、離れ座敷、新座敷とつながっている。靴を履かずにどの建物にも行けるのが特徴で、これらも順に整備されていくという。



DATA

● 藤岡家住宅(登録有形文化財) ●

五條市近内町526番

NPO法人うちのの館が管理運営する

開館時間は午前10時から午後5時まで。休館日は土曜、日曜、祝日

入館は無料。貸し館なども行う予定

問い合わせは同法人、0747(22)4013へ

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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