
中井家住宅(御所市) ◎登録有形文化財
江戸・明治・大正が融合
▲テンマドが特徴的な中井家
奈良や郡山、橿原の今井とともに、江戸時代に商都として栄えた御所町(ごせまち)。近鉄やJRの御所駅の東側。東西約750メートル、南北約300メートルのなかに、今も当時の面影を残す重厚な民家が数多く残り、町並みを形成している。街道の交差点にあたり、交通の要所として繁栄し、木綿の大和絣(かすり)や菜種油、薬種、運送、醸造、旅籠(はたご)とさまざまな商売が繁栄した。中井家は、その中にある。
中井家は屋号が「茶売屋」。茶に限らず、さまざまな商品を扱ってきたといわれるが詳細は不明。文政3(1820)年から天保13(1842)年まで庄屋を務めていた。主屋は棟札や普請帳、棟上祝儀帳から寛政4(1792)年の建築と判明している。登録有形文化財には主屋と座敷棟、南側土蔵の3件が今年、登録された。
▲中庭に面する座敷棟。
クチノザシキからザシキを見たところ
▲南側土蔵に残るナマコ壁
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▲通り土間の脇にはかつての商家の名残が
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奈良女子大生活環境学部の上野邦一教授らが平成16年に調査をしたところ、現在は町家の構えを見せるが、元は草ぶきの農家風建築だったと分かった。2階の梁(はり)組みや農家風の間取りから推定されるもので、離れ座敷の建築時と同じ時期の明治時代に主屋の屋根が瓦ぶきに変えられた。
つし2階の主屋は全体に格子構えになっている。中に入ると通り土間を挟んで左手は今は「シンシツ」に改装されているが以前は「ジョチュウベヤ」として使われていた。ドマ奥は「ダイドコロ」。ドマ右手は食い違い四間取りに「サンジョウ」と「テンマド」の部屋を合わせて6室になっている。「テンマド」は南向きの屋根に明かり取り用にガラスがはめられた五畳間で座敷棟と接している。
▲もとは草ぶきだったといわれる、つし2階の主屋。
規則正しく並ぶ格子が美しい
明治に建てられた座敷棟は床が主屋より一段高いのが特徴。「クチノザシキ」と奥の「ザシキ」の二間。いずれも中庭に面している。また、この棟は水路を挟んで隣接する「水門の蔵」と呼ばれる土蔵に通じている。
主屋の南側に隣接する蔵も登録されたもの。大正5年の建築。北面には特徴的なナマコ壁も見られる。敷地内には水回りを集めた離れなど新しい建物もあり複雑。
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DATA
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● 中井家住宅 ●
御所市南中町1234
住居として使用しているため見学はできない。
11月の第2日曜日に行う霜月祭では御所町の町家17軒ほどの玄関先が見学でき、同家も一部の見学が可能になる。また、団体の場合はNPO法人「ごせまちネットワーク・創」が相談に応じる。
電話:0745(65)1201
※情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。 |
写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)
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