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農のある風景

スイカの採種(田原本町) ■13■

色、甘さ 理想の一玉へ

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 夏の風物詩として親しまれているスイカ。九州・沖縄から北海道旭川周辺まで全国各地で栽培されているが、かつては大和の特産物であった。現在、栽培農家で用いる種のシェア約50%を誇る会社が田原本町法貴寺の萩原農場(萩原俊嗣社長)。

 スイカは食べることのできる部分の約95%は水分で、糖分は4~6%含んでいる。ビタミンA(βカロチン)やB1、B2、Cのほか、カルシウムやリン、鉄、カリウムなどのミネラル、グルタミン酸やアルギニン酸など多くの成分を含んでいる。果糖はエネルギーに変わりやすいので夏バテに即効性があるといわれている。

 同社は大正5年に創業。同12年に「富民号」、昭和11年には一代交配種「富研号」、同43年「日章」などの育成発表をしている。社内には優れた品種の育成や栽培技術の改良を行うスイカ・メロン育種部、産地へ種子を安定供給する生産・品質管理部、技術開発部、普及開発部がある。

 商品となる種の採取と並行して、6月から7月いっぱいまで研究用の種取り作業も最盛期を迎える。1日約120玉のスイカを1玉ずつ糖度や色、形などたくさんの項目を調べていくが、場内は甘い果汁のにおいが漂う。

 最近のスイカはカットされた状態で店頭に並ぶことが多くなったため、糖度のほか色も重要視される。鮮やかで時間がたってもさめない色が求められるという。

 種はいい品種なら5年から10年にわたって生産される。毎年種を買って植える一代交配種は農家にとって安定した品質のスイカが期待できる。だが、交配させて理想の品種を作るのには10年以上かかることもあり、常に消費者のニーズに合わせた研究が必要だ。


【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)

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