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農のある風景

稲の苗(奈良市) ■11■

白から緑に変わる早苗

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 山間部では既に終わったところもあるが、平野部など来月にかけて田植えが始まる。田植えに使う稲の苗を日本人は早苗(さなえ)と優しく呼んできた。子供の名前にもつけるほど大事な命の糧だ。以前は農家が苗代などで自分で作っていたが、最近は兼業農家を中心に多くの農家が買った苗を使うという。

 奈良市柏木町のJAならけん柏木支店にある水稲育苗センターでは、旧月ケ瀬村と都祁村を含む奈良市全域に苗の供給をしている。県内最大の施設。平成5年2月末に完成した。種子の消毒から発芽後の水やりなど、省力化が図られた最新式のものだった。

 プラスチックの苗床には1枚当たり約150グラムの種が使われ、秋には約250キロの米が収穫されるという。センターでは今年度約8万3000枚の苗を生産。奈良市内の山間部にはキヌヒカリや、ひとめぼれ、あきたこまちを供給。総量の半分以上を占めるヒノヒカリは平野部向けに生産している。

 作業は農薬を使わず、お湯に種子を浸けて消毒。その後、5日間水に浸し、モミが膨らむと土を敷き詰めたプラスチック板(縦30センチ、横60センチ)に種をまく。温度30度、湿度95%の部屋に3日間入れて発芽させる。芽が出たばかりの苗は真っ白。遮光した温室で成長させると緑色に変わっていく。最後にビニールハウスで25センチほどに伸びると、次々と出荷されていく。多くの作業が機械化されたセンターはさながら工場のようだ。


【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)

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