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やまと建築詩

佐保会館(奈良市) ◎登録有形文化財

豪華に美しく昭和薫る

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▲100年近い歴史を持つピアノも修復された大ホール(生駒ホール)

 修理の完成を祝う式典が先月7日に行われた。建物は奈良女子大や前身の奈良女子高等師範学校の同窓会「社団法人佐保会」の活動拠点となる施設で、女子大の構内に建つ。木造2階建ての近代和風建築。和風を基に洋室を巧みに組み合わせた建物は奈良の建築家、岩崎平太郎氏の設計。平成17年12月26日に国の登録有形文化財に指定された。

 建物は昭和3年に完成。奈良女子高等師範学校の創立20周年を記念して計画された。卒業生らに募金を呼び掛け、資金を工面して建てた。卒業生の思いが込められている。佐保会は昭和6年に佐保女学院を開設し、同会館を教室などに利用して授業を行った。女学院は昭和40年に奈良市鹿野園町に移転するとともに短大に昇格。以来、佐保会館は眠りに入る。


▲応接間の窓は
上げ下げ窓で修復された

▲玄関から見える照明。
調度品や明かりなど
昭和初期の物も多い

▲天井の格子が美しい応接間

 建築後80年近くたって傷みが激しくなってきた。また登録有形文化財に指定されたことで、修理をする必要に迫られた。耐震補強や屋根、漆喰(しっくい)の壁など大規模に改修したが、資金は建築されたときと同じく卒業生らに呼びかけて集めた寄付だった。卒業生の思いが再び込められた会館は、創建当初に近い姿に戻され、文化活動で地域貢献をする拠点として再出発した。

 木造総2階建て。大きな上げ下げ窓など和風近代建築の特徴が現れる外観。1階ホールから建物に入ると奥の左手に2階へ上がる階段。右手は建物を貫く廊下で、左右に和室が並ぶ。2階は大ホール(生駒ホール)が大半を占める。大きな格子天井が見事。1階の応接室と2階の控室はともに天井も高く豪華。

 創建以来大切に扱われてきたため、1階ホールの下駄箱や傘立て、大きな鏡、2階ホールのいすや舞台など、建築当初からと思われる備品も多く昭和ロマンの薫りがあふれる。


▲新緑に彩られた佐保会館の春


DATA

● 旧県立大宇陀高校宇陀市立菟田野分校 ●

奈良市北魚屋西町奈良女子大構内

建物は講演会や佐保塾と呼ばれる各種教室、コンサートなどに利用。手芸や折り紙などの教室や6月1日はシャンソン歌手の針生祐子さんらによるコンサート。

5月26日には東京・岩波ホールの高野悦子総支配人の講演「私のシネマライフ」などが行われる。

建物の見学やイベントや催しの問い合わせは同会館、電話0742(23)3805

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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