このページでは、Javascriptを使用しています


奈良新聞WEB トップへ戻る
 
←次へ 前へ→
やまと建築詩

森村家住宅(橿原市) ◎重要文化財

高塀造りの大庄屋屋敷

MainPhoto

▲主屋の玄関から別座敷を見る。
別座敷の床は一段高くそこに続く3つの部屋も明るく華やか

 耳成山の西に開けた旧環濠(かんごう)集落にある大庄屋で、大名などを迎えるときに用いた上段の間を備える大規模な住宅。江戸時代には、当時の新賀村の庄屋と、新賀組の大庄屋を兼ね務めた。新賀組は、寛文12(1672)年には10市郡13カ村から成り立っていた。

 平成10年7月1日から建物の保存修理を行っていた同住宅は平成17年12月に完成。修理は主屋と内蔵、別座敷が半解体修理。表門や東米蔵・西米蔵、納屋、表門西土塀、表門主屋間土塀がいずれも解体修理となった。この7棟の建物と土地は、奈良盆地の大庄屋の屋敷構えを伝える遺構として、平成元年9月に重要文化財に指定された。


▲大名などが使ったと思われる湯殿も

▲長押にある釘隠。
細部にまでこだわった造作に
公家屋敷らしさが残る

▲屋根の形から大和棟の初期の形
と考えられる主屋外観

 県内最大級の民家といわれる同住宅を見ると、表門は間口の大きな長屋門で屋根の片側が高塀造(たかへい)りという例の少ない形。西側に共(とも)部屋をもつ。

 主屋は享保17(1732)年の建築願書が残るので、そのころの建築と推定される。3室3列の9間取りと大きく、これも高塀造りで大和棟の立派な民家。座敷部分と釜屋が庇(ひさし)状になっているため、大和棟の初期の姿とみられている。

 主屋西に接する内蔵の建築年代は、17世紀にさかのぼると考えられる古いもの。外壁の下端は地面まで下げずに床位置までとして、通気性を良くしている。また、床は床板に土壁を塗ったうえ板床で仕上げている。入り口の扉は厚く重い。


▲大床がある別座敷

 上段の間となる別座敷は公家屋敷を移築したと伝えられてきた建物。平成の修理で長押(なげし)から、この事実を示す天保14(1843)年の墨書が発見された。長押の釘隠(くぎかくし)など、各所に公家の好みが認められ、大床を持つ8畳や、この上手で床、棚、書院を備えた座敷、北隣の休息の間、西の湯殿、南には縁側が備えられる。上質の材を選んで用い、仕事も優れた貴重な建物だ。内部は湯殿も残り当時の面影をよくとどめている。

 主屋北側の環濠沿いに東西に並ぶ米蔵は規模が大きい。敷地東側には南北に納屋が並ぶ。広い敷地に点在する建物群から隆盛を極めた大庄屋の生活がうかがえる。



DATA

● 森村家住宅 (重要文化財) ●

〒634-0006 橿原市新賀町408

見学希望者は往復はがきに希望日時や見学者の名前、人数、連絡先を明記して同住所あてに申し込む。

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)


会社概要採用情報新聞購読出版情報個人情報保護特定商取引法に基づく表示サイトマップ