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やまと建築詩

奈良国立博物館本館(奈良市) ◎重要文化財

県内で最初の洋風建築

 奈良公園内にあり、東大寺、春日大社、興福寺などの有名社寺に隣接する奈良国立博物館。主な建物は五つに分かれている。仏教美術を中心とする図書館で重要文化財の仏教美術資料研究センター、特別展示を主に行う東新館、平常展を中心とする西新館、文化財保存修理所、そして本館。

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▲雨の夜、漆黒の闇に明々と浮かび上がるライトアップされた
奈良国立博物館本館(ライトアッププロムナードは10月31日まで)

 本館は明治27年12月に完成した。設計は当時の宮内省内匠寮の技師・片山東熊(とうくま)。宮廷建築家として活躍した片山の初期の代表作として知られるのが、この本館。完成の翌年には、同じ片山による帝国京都博物館が完成。小ぶりな奈良博物館の意匠をもとに、両翼を伸ばした、伸びやかなデザインになっている。片山は、明治41年に表慶館(東京都)や11年の歳月を費やして完成した東京都内の赤坂離宮(東宮御所)造営にも携わっている。

 県内初の洋風建築といわれた同館は、木骨煉瓦(れんが)造り建築で、平屋建て。外装はモルタル仕上げ。基礎は愛媛県の伊予大島産の花崗(かこう)岩で、桁(けた)や窓縁は神奈川県産の沢田石を使っている。使っている石材も京都国立博物館と同じで、いずれも明治中期の洋風煉瓦造り建築の代表的な建物として知られる。

▲凝ったデザインの正面入り口

▲非公開の貴賓室

 正面入り口から本館内部に入ると第一室と呼ばれる大きな展示室がある。現在は彫刻の平常展会場として、飛鳥から奈良時代の仏像を中心とした彫刻が展示されている。天井は乳白色の拡散板を仕組んだ光天井になっている。建物は左右対称で、建物両翼に大小6つの展示室がある。また、建物裏側の出入り口横には貴賓室も。

 ここで建物の細かな意匠についてはふれないでおく。昭和44年に重文に指定された本館は、数多くの収蔵品や展示物と同じく鑑賞する価値のあるもの。それだけに、自分の目で明治の名建築を楽しんでもらいたいと思う。

▲館内外の各部には
細かなデザインが施されている

▲高い天井が特徴。
本館中央の展示室、第一室



DATA

●  奈良国立博物館(旧帝国奈良博物館)本館  ●

奈良市登大路町50

休館日は毎週月曜日(休日の場合はその翌日)と年末年始。開館時間は午前9時半から午後5時。開館延長時は午後7時まで。

観覧料金は一般420円、高校・大学生は130円。
10月1日からは大人500円、高校・大学生は250円に変更。中学生以下と70歳以上は無料。また、5月のこどもの日と9月の敬老の日は無料。特別展などでは料金が変更される。

【問い合わせ】同館0742(22)7771へ。テレホンサービスは0742(22)3331

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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