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農のある風景

鎮守の森(天理) ■2■

夕闇迫る水田に浮かぶ

写真

 「田の虫や送るで、あとはさかえ、さかえや、ドンツク、ドンツク、ドンドン、ドンツク」と、子どもたちは太鼓を打ち鳴らしながら歌をうたい田んぼを回る。6月に行われた各地の「虫送り」は、虫の祈祷(きとう)といい、農家が殺生している虫の供養をして、稲を害する虫を遠くへ送り出す行事。

 天理市山田町でも虫送り行事があった。夕暮れ、住民は手に長さ2メートルほどの松明(たいまつ)を持って地元の寺に集まり、祭りが始まる。この寺は今は集会所として使われ、隣には春日神社。鎮守の森に囲まれた寺と神社が仲良く並ぶ昔からの風景がここにある。

 「虫送り」からほぼ1カ月。梅雨前線が日本列島を南に駆け抜けた日に撮影した。ひと月で苗はよく育ち、「緑のカーペット」に。強い風は稲を揺らし、雲を流した。小雨が降り続く山田町。田んぼの向こうには夕闇にぽつんと鎮守の森が浮かび上がった。


【写真】本紙: 藤井 博信(日本写真家協会会員)
【協力】JAならけん
◎写真は多重露出撮影

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