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やまと建築詩

大和文華館(奈良市)

モダンが薫る落ち着き

 日本のモダン建築のひとつとしても有名な大和文華館は、昭和21年5月、当時の近鉄社長で美術館構想の発案者だった種田虎雄(おいた・とらお)氏を代表発起人に財団法人として発足した。美術館設立を委嘱された著名な美術史研究者で、後に初代館長となる矢代幸雄氏が十数年にわたり日本や東洋の美術品を収集。昭和35年10月、近鉄創立50周年記念事業の一環として当時の佐伯勇社長の尽力で開館した。このとき収集したコレクションは後に国宝4件、重要文化財31件が指定されるほど貴重なものが集まった。

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▲モウソウチクが植えられた中庭が特徴の展示室

 建物の設計は、近代数奇屋建築の第一人者で、大阪万博の松下館や東京・銀座の料亭「吉兆」、東京の歌舞伎座などを手がけた吉田五十八氏。同館の外観は、青緑色のモザイクタイルになまこ壁、白漆喰(しっくい)塗りの大壁にはむしこ窓という、寺院や城郭、商家などの日本建築らしい意匠を組み合わせた。落ち着いた中にも、華やかさをもったモダンな外観で、築後45年という歳月を感じさせない。

 正面から入ると、まず目に付くのは陳列棟へ続く長いロビー。両側に作り付けのソファが通勤電車のように続いている。また玄関左手には、凝った壁面が特徴の講堂がある。

 奥の陳列棟中央には、モウソウチクが植えられた中庭が設けられ、柔らかな外光が入る。館周辺は自然園「文華園」として整備され、四季折々の花や野鳥のさえずりが来場者の心を和ませる。「来場者にとって、美術鑑賞をする人の立場に立った心遣いのある美術館」として知られるだけある、学園前地区の貴重な文化施設だ。

▲なまこ壁と青緑色のモザイクタイルが壁面を飾る

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▲講堂の壁面には飾りが並ぶ凝ったもの

▲作り付けのソファのある管理棟と
陳列棟を結ぶ細長いロビー



DATA

● 大和文華館 ●

奈良市学園南一丁目11―6

開館時間は午前10時から午後5時までで、入館は午後4時半まで。
休館日は毎週月曜と年末年始。月曜が祝日の場合開館し翌日が休館となる。

建物の見学や文華園の見学には入館料が必要で平常展で一般600円、小中学生300円。

【問い合わせ】
 同館、電話0742(45)0544

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。


写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)


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