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やまと建築詩

箱本館「紺屋」(大和郡山市)

藍染め技術伝えつづけ

 道の真ん中に水路が流れる通称「紺屋町通」。この通りを中心とした紺屋町は藍(あい)染めを職業とする人たちが集まった職人町で、16世紀末、豊臣秀長の時代に成立したといわれている。天正年間には箱本制度が始まり、紺屋町は地税を免除された有力な町として箱本十三町のひとつとなった。城下町の中心をなす内町十三町の一つとして栄えた。江戸中ごろには東西290mに約150軒があったが、現在でも大きくは変わっていない、という。

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▲道中央に小川が流れる通称紺屋町通に面する箱本館「紺屋」

 奥野家は、家伝によると享保13(1728)年の初代にさかのぼる。名字・帯刀を許され屋号は「柳宗(やなそう)」。江戸時代から先代の故奥野義夫さんまで九代にわたり藍染めの技術を伝えつづけ、主に嫁入りの祝い幕や社寺の門(かど)幕、旗、暖簾(のれん)を制作してきた。同住宅の一部は、大和郡山市内でも最も古い住宅として市民から保存を願う声もあり、平成9年11月に同市が買収。2年にわたる調査と改修の後平成12年4月、同市と大和郡山市観光協会が運営する「箱本館紺屋」としてオープンした。

 旧奥野家住宅は、紺つぼ置き場やクドのあるドマとそれに接するミセノマ、ナカノマ、ザシキの三間が明和年間(1764―72)の建築で一番古く、ブツマや格子の間などの建物西側は幕末から近世にかけて増築された物という。平成9年からの改修工事では、文化財指定を受けないことと、住宅から用途を変更するため現行法に適合させる必要から内部を中心に改変。そして前面道路の幅員を確保するため曳(ひ)き家を行っている。

 現在の間取りは、復元された紺ツボ置き場とクドがドマにあり、それに接する三間は板張りの展示室と座敷の休憩室に。また、増築部分の座敷は集会室と茶会室になり「金魚ミュージアム」として利用されている。また、内蔵は土蔵風の展示場として建て直されている。内部はこのように、昔の間取りを生かした、展示スペースとして活用されている。

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▲格子の間だった部屋は現在は
オープンスペースに。それでも民家の名残が


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▲ザシキは現在も座敷として使われ
来館者の休息スペースに

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▲玄関を入ると藍染めに使う紺ツボが並ぶ
紺ツボ置き場もあるドマに



DATA

● 箱本館「紺屋」(旧奥野家住宅) ●

大和郡山市紺屋町19-1

開館時間は午前9時から午後5時まで。

毎週月曜日(月曜が祝日の場合翌日)と祝日の翌平日、年末年始など休館。

入館料は大人300円、小人100円。多目的展示場の使用は1日1000円。夏休み中、小中学生は無料。藍染め体験などが有料で楽しめる。

【問い合わせ】
 電話:0743(58)5531
 ホームページhttp://www.hakomoto.com

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)


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