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やまと建築詩

旧細田家住宅(奈良市)

県指定文化財

 東大寺や正倉院の北側、五劫(ごこう)院や空海寺などの寺院が立ち並ぶ閑静な住宅地に旧細田家がある。かいわいでは、同家のような瓦葺(ぶ)き屋根と茅(かや)葺き屋根を組み合わせた大和棟のほかに、法蓮格子(ほうれんごうし)と呼ばれる丸太格子を表に設けた町家風の農家住宅「法蓮づくり」と呼ばれる民家も見られる。

講堂

▲手前から「だいどこ」「ぶつま」と続く二間続きの居室

 旧細田家は構造や間取りなどから17世紀末から18世紀初頭に建てられたものとみられており、奈良市内の農家住宅の中では最も古いものの一つといわれている。昭和46年3月26日に県指定文化財になり、細田家からの寄贈により同48年に奈良市の所有となった。また、同年から昭和49年にかけて建物の半解体修理が行われている。

 大和棟の農家建築としては小型もので、間取りは一般的な四間取りではなく「ぶつま」と「だいどこ」の二室が土間に面して設けられているのが特徴。だが、建物の東半分を占める土間のつくりは県内平野部の農家住宅に準じたものだ。

 土間入り口の左手にはウシゴヤで、ウシゴヤの土間中央寄りの柱はハナカミ柱と呼ばれ、ここから南側に煙返しの大梁(はり)をかけ上部が壁になっている。居室は表に面するほうが「とこ」が設けられた「ぶつま」。南側は「だいどこ」で、東側と南側が開け放たれ開放的な構造。奈良市教委では「構造的に特に古い形式をもち、奈良市内の農家住宅の中でも最も古いもののひとつで貴重な建物」としている。

▲中庭に面するドマ南側の入り口

▲多くの釜が並ぶ「かまや」。
南側の障子から光があふれる

▲瓦と茅で組み合わされた屋根が
美しい大和棟の旧細田家。
手入れされた庭と調和する

▲西側を除く3面を開け放つことが出来る「だいどこ」。
カマド上部には煙返しの大梁が見える



写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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