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万葉車窓

河内堅上-三郷(JR関西本線)

風の神おわす紅葉の山々

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 『 わが行(ゆき)は 七日(なぬか)は過ぎじ 龍田彦(ひこ) ゆめこの花を 風にな散らし 』

 風の神、龍田彦に花を風に散らさないで、と願った歌。この時代、龍田には桜を歌った歌が多く残されているが、後には紅葉でも有名となる。

 竜田山は信貴山の南の峰で、生駒山脈が大和川に接するあたりの山。東には風の神を祭る竜田本宮がある。ここを通り奈良と難波を結んだ道は竜田道と呼ばれ、生駒山を越えるルートの迂回(うかい)路ともなっていた。この写真は、竜田山の南。大和川を挟んだ対岸、片岡山を夕闇が迫るころ撮影したもの。薄暗い中、紅葉も終わり茶褐色に変わった広葉樹の葉が風に舞うのを待つ。

 JR関西線のこの区間、以前は大和川の北側を走っていたが、昭和7年に起きた亀ノ瀬の地すべりにより線路が川の南側に移された。亀ノ瀬では今も地すべりの対策工事が行われている。線路の移設により廃線となった旧線路跡には民家が一列に並び線路跡をしのばせる。

 『 妹(いも)が紐(ひも) 解くと結びて 竜田山 今こそ黄葉(もみち) そめてありけれ 』


●参考図書=米田勝著「万葉を行く」(奈良新聞社刊)、和田嘉寿男著「大和の万葉歌」(奈良新聞出版センター刊)


写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)


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