このページでは、Javascriptを使用しています
奈良新聞WEB トップへ戻る
 
←次へ 前へ→
万葉の景色

三輪・平等寺

紅葉より人気の黄葉

黄葉が印象的なモミジ

▲山が迫る雑木が茂る中、黄葉が印象的なモミジ。
右が平等寺の土塀(桜井市三輪)

 はや師走。今年のモミジは色づきが今ひとつと嘆いているうちに、落ち葉の季節を迎えた。万葉人も「もみち」を愛(め)で、実に137首もの歌を残した。艶(つや)やかなモミジといえば紅葉が主役と思いがちだが、当時は黄葉を称賛した歌が多数を占めていた。

 現在の桜井市、大神神社から金屋へとやがて終わりが近づく「山の辺の道」の途中、小ぢんまりとした佇まいの平等寺境内にも黄葉を賛美した歌碑があり、手入れの行き届いた紅葉が今が盛りと色づく。

 『 我が衣 色どり染めむ 味酒 三室の山は 黄葉しにけり 』 柿本人麿歌集(巻7-1094)

 私の衣装をその美しい色で染めよう…。三輪の山が美しく色づき始めた。さて、平等寺は聖徳太子の創建と伝えられ、かつて大神神社の神宮寺として寺勢を誇った。徳川時代には修験道の霊地として、大峯山に向かう修験者が境内ひある不動の滝に打たれて行をしたといい、今も行場がある。明治の廃仏棄釈で廃れたが、昭和52年に本堂などを復興した。

 来年、慶円上人が同寺を中興し800年になることから二重の塔(釈迦堂)を再建、すでに外観はでき、8月には落慶する予定という。境内を後に再び、山の辺へ。山が迫り雑木が茂る中、錦に染まるモミジを見つけた。見慣れた真っ赤なモミジではないが、黄葉が印象的で万葉人が好んだモミジだろうか、と勝手な思いに浸りシャツターを切った。

 『 味酒 三輪の祝の 山照らす 秋の黄葉の 散らまく惜しも 』  長屋王(巻8-1517)

 三輪山を彩る秋景色。その美しい黄葉が散るのはなんとも惜しいなぁ。

 三輪山をご神体とし三輪明神ともいわれ、わが国最古の神社の1つ大神神社。うっそうと茂る木立の中、参道を歩いた。

平等寺境内

▲平等寺境内には、数こそ多くはないが手入れが行き届いた
モミジが真っ赤に色づき艶やか


写真と文 牡丹 賢治

ページ上部へ移動

グラフ:目次ページに戻る

奈良新聞WEBトップに戻る


 

会社概要採用情報新聞購読出版情報個人情報保護特定商取引法に基づく表示サイトマップ