
旧田中家住宅(奈良市) ◎市指定文化財
町屋風の農家「法連造り」
奈良市五条町の都跡公民館に隣接する農家が旧田中家。広場にぽつんと建つ住宅だが、もとは法蓮南町にあった「法蓮(ほうれん)造り」と呼ばれる農家建築で、この建物は現存最古のものといわれている。
▲入り口から入る光はザシキとニワ(ドマ)を仕切る土壁を照らす
法蓮造りは、いわば町家風の農家。当時(江戸時代)の法蓮村は、市街地である奈良町に隣接する農村で、村内の農家は町家のように奥行きが深い宅地に隣の家と軒を並べて建っていた。住宅の正面には町家のように法蓮格子と呼ばれる丸太の格子を設けたのも特徴だった。
切り妻造りに茅葺(かやぶ)き屋根の同住宅。正面と背面には庇(ひさし)がつく。正面向かって左側には高塀も。建築年代は18世紀末から19世紀初めごろと推定されている。昭和57年に市指定文化財に指定。同年に解体され部材を保管し平成2年、現在地に移築復元された。
建物の北半分はザシキなどの部屋で、三つの部屋が一列に並び、建物表側からザシキ、ナカノマ、サンジョウノマと続く。南半分はニワ。カマドを中心に牛小屋も設けられている。
移築前には建物に多くの改造があったが、移築にあたって当初の状態にできるだけ戻された。唐招提寺や薬師寺にも近く観光客の見学も多いという。
▲ニワに設けられたカマド。一番大きな釜は
カマクドサンと呼ばれ大切にされた、という
▲旧田中家の全景
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DATA
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● 旧田中家住宅 ●
奈良市五条町204の1
見学時間は午前9時から午後5時まで
月曜と祝日は休み(月曜が祝日の場合は翌日が休み)
入場無料で見学希望者は隣接の都跡公民館に申し込む
【問い合わせ】
奈良市教育委員会文化財課、電話:0742(34)1111(代表) |
写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)
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