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やまと建築詩

旧吉川家(大和郡山) ◎県指定文化財

古式留める外観美

 入り母屋造りの茅葺(かやぶき)屋根で周囲には本瓦葺きの庇(ひさし)がつく農家。入り口の右手は土間で表隅には中二階付きの機(はた)部屋が設けられている。左手の居室部分は下手二室の間仕切り位置を半間表側にした食違い四間取りで、広間型三間取りから発展した平面形式と考えられている。

カマド

▲広いドマに設けられたカマド。防虫のため時々使われている。

 障子が開けられた居室は明るく開放的な雰囲気。夏の日差しの下でも風はよく通り、涼しい。この建物は多くの上屋柱(じょうやばしら)を省略して庇部分を部屋に取り込む構造などを特徴とし、外側の柱筋は土壁や突き止め溝を多く用いた形式などが施され古式を留める。

 旧吉川家は民俗公園の国中集落の中にある。旧西川家の土蔵と並んで建っている。隣には県指定文化財の旧萩原家住宅と旧赤土家離れ座敷が並んでいる。いずれの建物も中に入るとカマドのにおいがする。木を燃やしたときの懐かしいにおいは、現在も防虫などのためにカマドが使われているためだ。

 旧吉川家は、もとは橿原市中町にあった自作農の典型的な農家で庄屋を務めたともいわれている。建築年代は同家の過去帳によると元禄16(1703)年に山ノ坊村から分家したころの建築と推定。中町(旧中村)は国中の特徴的な農村集落でこの村の西端に同家はあった。国中では屋敷構えは中央に南面して主屋を建て、表か裏に物干し場、表側には長屋門を構え門の両端から奥へコの字型に納屋、稲小屋(いなごや)、米蔵、内蔵離れ座敷などの建物で取り囲む囲い造りが一般的で、同家も囲い造りだったという。

居室内

▲庇部分を部屋に取り込んだ独特の構造も見える居室内。
トコやブツマなどは後に改造で設けられた

本瓦葺きの庇

▲茅葺き屋根の周辺に付く本瓦葺きの庇

外観

▲土壁など古式をよくとどめる外観


DATA

● 県指定文化財旧吉川家住宅 ●

大和郡山市矢田町545

民家は入館無料で見学時間は午前9時から午後4時まで。
休館日は毎週月曜日と年末年始など。
民家内での写真撮影は事前に民俗博物館窓口で手続きを。

【問い合わせ】
民俗博物館:電話0743-53-3171

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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