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やまと建築詩

正木坂剣禅道場(奈良市)

剣の技と心身の修練場

 柳生宗矩や柳生十兵衛、荒木又右衛門らの剣豪を生んだ柳生新陰流ゆかりの柳生の里。正木坂剣禅道場は、柳生家一族の菩提(ぼだい)寺、臨済宗大徳寺派・芳徳禅寺(橋本紹尚住職)にある。先代住職の橋本定芳さんが昭和6年に道場建設を願い約30年の年月をかけて、同40年春にようやく完成した。道場が建つこの場所は、もとは柳生十兵衛の弟、友矩の邸宅跡に建てられた。宮本武蔵が訪れたといわれる当時の柳生道場(正木坂道場)は、現在の市営駐車場の辺りにあった、といわれている。

▲剣道と禅を通じて心を鍛える道場。
「剣禅一如」の精神で周囲には座禅行う場所も設けられているのが特徴

 道場の屋根や柱などの構造物は、もと興福寺の別当だった一乗院の建物。裁判所の建物として使われ昭和37年に取り壊されることになったが、建物の保存運動が実り解体後、部材を国から譲り受けた。県内外の政財界の支援や全国からの浄財を用い工事が始められた。屋根部分と柱は一乗院、玄関は京都所司代の玄関、床や壁は新調と組み合わされて完成した。

 道場は平屋建てで総面積は約620平方メートル。玄関を入ると左右に広がる廊下があり、廊下の先には更衣ができる控室になっている。この整備箱にはそれぞれ禅にゆかりのある言葉が描かれている。また、道場を囲む三面には座禅をするための畳敷きの床が一段高いところに張られている。

 剣道に座禅の心を取り入れた「剣禅一如」の柳生新陰流の精神にも通じる道場。「相手を切らずに勝つ日本で唯一の古武道」といわれる同流派。座禅を組み心を無にすることが強くなる秘けつなのかもしれない。橋本住職は「柳生の精神は心の訓練。座禅など苦しいことを乗り切ると、いい思い出として何年も記憶に残る。剣道と座禅による心の修行で精神力を高めてください」と話している。

正木坂道場

▲柳生の里を見渡す高台にある正木坂道場。
玄関の大きな引き戸の格子からは柳生の山や町並みがパノラマのように見える

▲興福寺一乗院と京都所司代の玄関を組み合わせた重厚な建物

▲もと京都所司代の建物の一部だった
玄関部分には菊の紋が入った瓦も残る


DATA

● 正木坂剣禅道場 ●

奈良市柳生下町445

道場は芳徳寺境内にある。
拝観料は大人200円、高校生150円、小・中学生100円。
道場は貸切制で宿泊も可能。

道場の使用についての相談等は芳徳禅寺、電話0742-94-0204

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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