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やまと建築詩

山添村歴史民俗資料館【旧春日小学校講堂】(山添村)
◎県指定文化財

村民が思い込めた校舎

 茶畑が点在する山添村春日地区。集団で下校する生徒たちの列が旧春日小学校講堂前を通り過ぎる。築100年を迎える講堂や旧校舎の部材を使って建てられた隣接する文化伝習館(波多野公民館)は住民の生活に溶け込んだ建物といえる。二棟が寄り添ってたたずむ姿は創建当時を彷彿(ほうふつ)させる。

 昭和60年3月15日に県指定文化財となった旧講堂は、明治36年に完成した。柱や梁(はり)などの部材は村民所有の山林から最良の材を持ち寄った。また労力も村民があたるなど、村民の願いを込めて完成した建物だった。講堂を中心に囲むように「コ」の字型の教室棟が特徴的で、入り母屋造りの深い屋根、高い床など当時から「お寺のよう」とも言われていた。また、ユニークな教室のレイアウトなどから県内外から見学者があった。

旧春日小学校講堂

▲茶畑や山々を背景に建つ旧春日小学校講堂。
少し移動したが100年間この地で子どもたちを見つづける

 旧講堂(歴史民俗資料館)へは隣接の文化伝習館から入る。いくつかの部屋や片側が開けた廊下など、教室だった当時を思わせる。渡り廊下には始業、終業を知らせた鐘も。その廊下を渡ると県の指定文化財となっている講堂がある。内部は広く、現在は同村から出土した縄文時代の土器や大正から昭和にかけて使われた机やいすなど考古資料や民俗資料が展示されている。舞台には大きな襖(ふすま)が取り付けられているが、これは戦前から戦中にかけて教育勅語などを収めた名残という。

 講堂前面の立派な車寄せ、校章の入った瓦、ゆがんで見えるガラスなど地域住民の記憶が詰まっている校舎。これらはそのまま保存されたのではなく、建物の移動と方向転換などを行って現在の姿になった。今も地域住民や隣接する「やまぞえ小学校」の児童たちがよく利用する。

講堂内部

▲講堂内部。舞台には大きな襖が取り付けられている


DATA

● 山添村歴史民俗資料館(旧春日小学校講堂) ●

山添村大字春日1770

休館日は毎週月曜日(祝日と重なるときはその翌日)。
祝日の翌日、年末年始。見学時間は午前9時から午後4時。
入館料は無料。

【問い合わせ】
同館 、電話:0743-85-0250

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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