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やまと建築詩

旧佐伯邸(奈良市)

屋根にもこだわり設計

 平成元年10月に86歳で亡くなった近畿日本鉄道の佐伯勇名誉会長が晩年まで暮らした家。現在は日本画家の上村松園、松篁、淳之三代の作品を収蔵する松伯美術館が隣接している。同美術館は上村松篁、淳之両氏から作品の寄贈、近鉄から基金の寄付を受け旧佐伯邸の土地を利用し同美術館ができた。

 旧佐伯邸は昭和40年に村野藤吾氏の設計で建てられた。村野氏はそごう百貨店大阪店や志摩観光ホテル、京都都ホテル、大阪新歌舞伎座、八ケ岳美術館など名建物を手がけてきた建築家。また、庭園は「植為」の小島佐一さんの作。

旧佐伯邸

▲「雁行」と呼ばれる一部屋ずつ南へ出した構造など
凝った部分が多い旧佐伯邸。多くの緑にも囲まれて

 1万平方メートルの広大な敷地の中に建つ建物は、木造瓦ぶき一部銅板ぶき2階建ての本屋や、茶室、蔵など、それぞれが独立した外観を持ち外から見ると、多くの屋根が重なり合って見える

 建物の西半分にあたる本屋部分と本屋2階建て部分は私邸として使われていた。当時、主人室や夫人室として使われた和室などがある。また、東半分は応接や和室、茶室など来客スペースとなっている。別棟の茶室「伯泉亭」は表千家残月亭を参考にした凝った造りの建物。九畳の和室でも茶席が開けるようになっている。

炉

▲炉が設けられた和室では茶会も。
隣接して別棟の茶室「伯泉亭」も

旧佐伯邸

▲茶室や本屋など多くの屋根が見える旧佐伯邸。
風格ある特徴的な煙突も

 一部に鉄筋コンクリートを用いながら木造建築のよさを発揮した建物で、大きな窓や西側に行くほど一部屋ずつ南へせり出した「雁行(がんこう)」と呼ばれる造りなど、屋根の形にも設計の巧みさを感じさせる邸宅だ。


DATA

● 旧佐伯邸 ●

奈良市登美ケ丘2-1-4

現在は松伯美術館の付属施設として使用。
建物内部の見学はできないが外観は見ることができる。
また、土曜、日曜、祝日の開館日には庭園で茶席が設けられるほか、茶室の貸し出しも可能(有料)。

【問い合わせ】
松伯美術館 電話:0742-41-6666

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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